サッカー・J1のヴィッセル神戸を運営する楽天ヴィッセル神戸株式会社は29日、ノエビアスタジアム神戸(神戸市兵庫区)で南海トラフ地震を想定した津波避難誘導訓練を行った。

2026/27シーズンを目前に行われた訓練では、観客約2万5千人以上が来場する神戸のホームゲーム開催中に兵庫県南部で震度6強を観測する南海トラフ地震が発生し、大津波警報が発令され、地震による停電で大型ビジョンや通常の演出・音響が使用できない状況を想定して実施。スタジアムでは非常時の放送を使用し、来場者を安全に避難誘導する体制を確認した。

試合運営に携わる関係者の防災意識向上と対応力強化を目的に、以前から予定されていたこの避難訓練。前日の28日夕方に、最大震度7を観測した「令和8年熊本地震」が発生した直後ということもあり、参加者は緊迫感を持って行動していた。
神戸市のハザードマップでは、「津波警報・大津波警報が発表されたときは最低でも『JRより北へ!丈夫な建物の3階以上へ』など命を守る行動を」と示されている。
ノエビアスタジアム神戸がある御崎公園は、神戸市兵庫区の海側に位置。そのため、津波避難場所としては指定されていない。また、同スタジアムについても、メイン・バックの下層スタンドやゴール裏スタンドは、垂直避難の条件を満たさないという。

この避難訓練で陣頭指揮をとった楽天ヴィッセル神戸の土居敬さんは、「試合時を想定した場合、全員を3階以上(上層スタンド)に避難させることは、現実的に不可能。お客さま全員を安全に誘導することを考えると、スタジアム外のJR兵庫駅北側まで避難誘導するのが、現時点ではベスト」だと話す。
同社の社員だけでなく、スタジアムの協力会社、場内売店の事業者、試合の演出を行う会社、警備会社、運営会社なども入った今回の訓練。
「南海トラフ地震がいつ起きてもおかしくないと言われている中で、試合時に観客をどう避難させるべきか、避難マニュアルが適正なのかを実証すべく、今回訓練を行ったが、より良い計画にアップデートする必要があると感じたのが正直な感想」とコメント。
今後の課題について土居さんは、「避難誘導させるための備品をもっと充実させないといけないと感じた。また、今、日本の方だけでなく、あらゆる国の方々が観戦に来られるので、試合時、停電が起きてビジョンが使えなくなった場合、そういった方々へどうアナウンスや告知をして対応するかも課題の1つ」と述べるとともに、「地震はいつどこで起きるのか本当にわからないもの。日頃の備えが重要だと改めて認識した」と語った。






