地震観測の歴史を伝える貴重な資料群も見逃せない。大阪管区気象台に残る「地震観測原簿」は、P波やS波の到達時刻、揺れの継続時間、体感震度などが手書きで記録された実際の観測資料で、地震観測技術の歴史を物語る貴重なもの。各地の観測データをとりまとめることで震源を特定してきた研究の歩みも紹介され、今日の地震学が長年の観測の積み重ねの上に成り立っていることが分かる。あわせて戦時中の1944年昭和東南海地震と、戦後間もない1946年昭和南海地震の調査報告書も展示。昭和東南海地震の方は戦時中だったため、表紙に「極秘」と記載されている。両報告書ともコピーが用意されており、コピーは手に取って中を見ることが可能だ。


さらに、現在の気象庁がどのように地震や津波を監視し、緊急地震速報や津波情報を発表しているのかを紹介するほか、震度計の仕組みや震度観測の変遷についても解説。体感による観測から機械観測へ移り変わったことで、速報性や精度が飛躍的に向上したことなど、普段何気なく目にしている防災情報の背景が分かる。
会期の10日目、最大震度7を観測した「令和8年熊本地震」が起きた。江越学芸員は「日本は地震が多い国で、いつ、どこで起きてもおかしくない。発生を防ぐことはできないが、どういう仕組みで地震が起き、どのような被害になるか知ってもらい、最新の知見を学ぶことで、備えにつなげることはできる」と話した。

◆企画展「昭和南海地震80年『地震の科学―記録が語る過去、科学が解く仕組みと備え―』」
会期 2026年7月18日(土)~8月30日(日)
場所 大阪市立科学館展示場1階(〒530-0005 大阪市北区中之島4-2-1)
時間 9:30~17:00(展示場入場は16:30まで)
休館日 月曜(祝休日の場合は翌平日) ※8月10日は開館
展示場観覧料(企画展は展示場観覧料で観覧可) 大人400円、高大生300円、中学生以下無料
主催 大阪管区気象台、大阪市立科学館
問い合わせ 大阪市立科学館06-6444-5656





