オオサンショウウオについても見逃せない。1975年から兵庫県の市川上流で調査を開始、尾の模様や標識などによって1600超の個体を登録してきた。長年にわたる調査によって、オオサンショウウオの河川での移動や成長、オスが巣穴の中で卵塊を保護する生態、冬も冬眠せず活動している様子などが明らかになった。
1980年代からは水生昆虫・タガメも展示。90年代以降の調査で、オスが卵に水を与えて育てていることを解明した。調査の中でタガメのメスが、卵を守っているオスに襲いかかり、卵を破壊して自分の卵をオスに産みつける「卵壊し行動」を行っていることも確認。世界初の発見として話題を呼んだ。
半世紀以上続く、淡水ガメの調査も興味深い。1970年代から野外調査を開始、76年からはニホンイシガメなどの飼育下での産卵についても研究。81年には淡水カメ池を設置し、50年間で1万5480回の産卵を確認、記録した。飼育年数43年、推定年齢58歳のニホンイシガメが産卵する様子を写した写真も展示されている。
第2会場では、ひめすいがこれまで開催してきた特色ある企画展にスポットを当てる。年表とともに、金魚、流氷、漂着物、昆虫、危険生物、妖怪・UMA、芸術作品など、多彩なテーマの企画展についてパネル40枚で紹介。種類ごとのセミの抜け殻や金魚を題材としたアート作品の展示もある。

展示を担当した姫路市立水族館飼育係の竹田正義さんは「ひめすいは、60年前から身近な生きものに着目して調査研究を行ってきた。調査研究がずっと継続してきたことは本当にすごいこと」と振り返った。その上で、「種の保全と繁殖、情報発信など、水族館や動物園が果たすべき役割は多い。生きものを見てもらうのは大事なことだが、それ以外の観点からも自然や生きものとつながる方法がある。今後も、水族館らしくない企画展も考えていきたい」と意欲を語った。企画展は31日(月)まで。



