今シーズンから秋春制に移行したサッカー・Jリーグ。以前に比べて夏場の連戦は緩和されたとはいえ、猛暑・酷暑下での開催が続く。そのなかで、ヴィッセル神戸のホームゲームが行われた15日のノエビアスタジアム神戸では、スタジアムやイベント運営で、様々な試みが行われた。
神戸はホーム開幕戦となった2026/27シーズンJ1リーグ第2節のFC東京戦で、神戸市とともに、ノエビアスタジアム神戸に導入を進めている空調設備の試験稼働を実施した。

同スタジアムでは観戦環境の向上を目的に、空調設備導入に向けた改修工事を段階的に進めており、今回はその第1期工事にあたる。2028年夏の全面稼働を目指す計画の中で、今回が実戦下での初の試験稼働となった。
試験稼働にあたり、この日の試合は天候にかかわらず屋根を閉めた状態で開催された。ただし、クラブ側が試合前に「あくまで試験的な運用」と強調したように、これはスタジアム全体を十分に冷却するまでには至らず、屋根を閉めても冷却効果は限定的なもの。次戦以降の屋根の開閉については、今回の検証結果を踏まえて試合ごとに判断していくという。
楽天ヴィッセル神戸の千布勇気社長は今回の取り組みの狙いについて、「もともと、このアリーナ型、いわゆる屋根が閉まるというノエビアスタジアム神戸の特性を活かして、何かさらに良いスタジアムにできないかなというところはずっと思っていた。抜本的に涼しくすることで、夏でもコンサートやサッカーも含めて、お客様、アーティスト、プレーヤーなど皆さんに対して圧倒的に快適な環境を提供できれば、エンタメの価値を一段、二段と上げられることにつながるのではないか」と説明。
今後のスケジュールについては、「市長の会見でも発言があったが、神戸市が2028年の夏に向けて10億円以上の予算をとって進めていく。今回の試験的なところを経て、どういうやり方をすればより快適な環境になるのかを検討していく。来年の夏にも、さらに強度を上げていく予定で、フェイズ1→2→3みたいな感じで今、検討している」と、段階的な整備方針を語った。

神戸の担当者は導入の背景について、「昨今、外気温が夏場は40℃を超えることも珍しくない状況下で、観戦環境、プレー環境、またピッチのコンディション維持というところも含めて、(空調の導入で)誰にとってもいい環境を作れるんじゃないかというところを考えた」とコメント。
空調復帰後の現状の冷却効果については、無観客でのテスト時、「外気温からマイナス2℃ぐらいが一番冷えているところだった」という。「それを段階的にどんどん5℃(くらい)下げられるかどうかというのを、今日(試合日に)実証したうえで、どれぐらいの電力量を使えば(温度を)下げられるのかを今後、神戸市と検討していく」と、開場前の説明で話していた。
また、神戸の広報担当者は今回の実証実験の位置づけについて、「結果という形でデータで出すかどうかはまだわからないが、まずは体感で、選手や監督、お客様がどう感じるかというところが今日のポイントになる」と述べ、数値だけでなく現場の感覚を重視しながら今後の運用を判断していく考えを示した。








