神戸のウォーターフロントエリアの新たなランドマークとなっている「ジーライオンアリーナ神戸」。この活性化とともに、街の回遊を促そうという取り組みが始まっている。
アリーナを運営するOne Bright KOBE(OBK)、プロバスケットボールクラブ・神戸ストークスを運営するストークス、そしてJR西日本(西日本旅客鉄道)の3社が、7月末、まちづくりに関する連携を強化すると発表した。これまでの「データソリューションパートナー」という名称を「まちづくりVXパートナー」に改め、アリーナの熱狂を神戸のまち全体の回遊・再訪へとつなげていく考えだ。

JR西日本の取締役兼専務執行役員共創ソリューション本部長の奥田英雄氏によると、連携の出発点は、意外にも個人的な縁だったという。神戸の幼稚園からの幼なじみが、JR西日本とOBK、それぞれの会社で働いていた。開業の1年ほど前の同窓会で、お互いの会社の自慢話をし合っているうちに、「お互いの強みをうまく活かせば、もっと神戸のまちが元気にできるよな」という話になったそうだ。
そこから、JR西日本が展開するAIカメラ「mitococa」をアリーナ周辺の人流計測に導入する形で実務的な連携が始まり、今回、その関係を土台に、アリーナやJR三ノ宮駅の駅ビル・周辺開発をベースとした街のにぎわいづくりにも着手する。
◆アリーナが生む、ふたつの熱
2025年4月に開業したジーライオンアリーナ神戸は、初年度に162万人を集め、今年度は200万人到達も視野に入ってきているという。その熱狂を支えるのが、スポーツと音楽、ふたつの磁力だ。
スポーツの中心は、ホームチームのプロバスケットボールクラブ・神戸ストークスだ。昨シーズンはB2リーグ(B2)で西地区優勝、そしてプレーオフ制覇を果たした。レギュラーシーズンの平均来場者数は5,874人、アリーナ開業を機に前年の2倍まで伸ばし、これはB1・B2を合わせたリーグ全体でも5位にあたる数字だったという。今シーズンからは新設のトップカテゴリー「Bプレミア」に参入し、9月26日に開幕を迎える。

このBプレミア移行では、実は思わぬ現象を呼んでいる。OBK・ストークス代表取締役社長の渋谷順氏によると、対戦相手のファンがチケットを確保するために、あえて神戸ストークスのファンクラブへ入る動きが目立ってきているという。「アウェイ側の方だけでも2000人とか3000人とかご来場になられる試合も出てくるかなと思ってます」。
OBK取締役の渋谷樹氏も、Bリーグの他クラブのデータを引きながら「B2からトップカテゴリーに上がったクラブは1.3倍から1.5倍ぐらい、その時点でお客さんが増えるというデータがもうすでに出ている」と、昇格効果への手応えを語った。
音楽などイベント興行の面でも、2025年10月にはマライア・キャリーが約7年ぶりの来日ツアーの初日をこのアリーナで飾るなど、国内外のトップアーティストが次々とライブを行ってきた実績がある。






