サッカー・女子のWEリーグは2026/27シーズンが22日に開幕し、連覇を狙うINAC神戸レオネッサはホームのノエビアスタジアム神戸(神戸市兵庫区)でサンフレッチェ広島レジーナに2-1と逆転勝ちを収め、白星発進した。
INAC神戸が広島から勝利を挙げたのは、2024年12月の皇后杯準々決勝以来、8戦ぶり。INAC神戸の宮本ともみ監督は「用意してきたところが、しっかり結果につなげられてうれしい。WEリーグの開幕戦の結果は、4冠を目指している私たちにとって、勝点以上の大きなものになった」と手応えを口にした。
これまでの広島との相性の悪さもあってか、出だしは良くなかった。開始早々の前半8分、ミスから先手を献上。失点はGKからのビルドアップ(攻撃の組み立て)のパスをカットされ、最も警戒していた広島のFW中嶋淑乃選手に奪われた。
その後も、守勢に回る時間が長かった。前半のシュート数は広島の13本に対し、INAC神戸は5本。勢いに乗る広島に何度もゴール前まで攻め込まれたが、新加入のGK田中桃子選手が好セーブを連発して2点目を奪われなかった。
「ゴールキックのスタートのところでうまくいかなかった部分もあって、それが失点につながってしまったので、私を含め、チームとしてはすごくモヤモヤとしたというか、もったいない失点になった」(宮本監督)
田中選手は「相手を考えたときに、かなり人についてくるので、スペースをうまく使いながら(組み立てていこう)というところではあったが、判断も技術もまだまだだなと思った」と失点シーンを反省した。
しかし、その後は、1対1の場面やクロスボールへの対応で、抜群の守備力を発揮した、新守護神。日本代表「なでしこジャパン」にも名を連ねた実績を持つ実力者は「この1か月、特に1対1の部分は重点的に積み重ねてきたところだったので、それが一つできてほっとしている」と新天地デビューでの勝利に安どの表情を浮かべた。
その田中選手の奮闘が、後半にチームをよみがえらせた。57分(後半12分)にセットプレーからの流れで同点に追い付く。
なでしこジャパンMF成宮唯選手がゴール前にボールを上げると、U-20日本女子代表DF太田美月選手がDF2人を背負いながらフィジカルの強さを示して競り勝ち、頭で流し込んだ。「後ろ向きの状態ではあったのですが、なんとかゴール方向にボールを飛ばすことができた」。
勢いづくINAC神戸は、72分(後半27分)、逆転に成功。CKのボールが遠いサイドに流れてきたところをMF大熊環選手が右足で落ち着いて蹴り込んだ。このゴールが試合を決めた。
大熊選手は「絶対に点を取るぞという気持ちでセットプレーに入って、それが結果につながりうれしい。セットプレーの最初の動きがうまくいかなかったときに、もう一回(ゴール前に)入り直す動きが、みんなできていたから、あのゴールにつながったと思う」と破顔した。

試合全体について、宮本監督が「内容的にはまだまだ完成度としては低いし、満足できるものではなかったかもしれない」と振り返ったのは、その通りだろう。
昨シーズンのWEリーグ最優秀選手賞を獲得した成宮選手や、得点王に輝いたFW吉田莉胡選手は、今シーズンはより厳しいマークに遭う可能性もある。
それでも、しぶとく勝利につなげる。
「セットプレーの準備してきた形で、得点を取って逆転して、勝利を収めることができた。選手たちもスタッフも、(逆境を)はねのける強さを示してくれて、とてもうれしい」と、宮本監督。昨シーズンの女王が、今シーズンも女王であり続ける意気込みを示した開幕戦白星でもあった。
また、この日は6月に就任したサッカー元日本代表MFの阿部浩之社長にとっても「デビュー戦」だった。試合後に報道陣の取材に応じた阿部社長は「最初は勝つのがすべてだと思っている。内容について、見方はいろいろとあると思うが、勝てたのが一番で、あとは修正してどんどん練習で積み上げていくだけかなと思う」とコメント。
勝利後にスポンサーの人たちともあいさつを交わしたそうで「熱量のある方が多くて、本当にクラブとしてありがたい。そういう人たちをもっと増やしていくのが僕の仕事。増やしていって、スタジアムのいい雰囲気づくりができれば」と話した。(北川信行)






