「学校に行きたくないときは無理をしなくていい」 不登校の子どもと家族に寄り添う、広島の居場所

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「学校に行きたくないときは、無理をして行かなくてもいい」。そう語るのは、夫の坂本哲也さんとともに、広島県で複数の教育施設を運営し、不登校や発達の特性がある子どもたちの居場所づくりに取り組む坂本康子さんです。

広島県で教育施設を運営する坂本康子さん(写真左)、坂本哲也さん(同右)

 文部科学省によると、全国の小・中学校における不登校児童生徒数は35万人を超え、過去最多を更新しています。

 哲也さんは、長年にわたって子どもたちの教育に携わるなかで、不登校を取り巻く環境の変化を感じています。

「40年前は、いじめや先生とのトラブルなど、原因が比較的わかりやすかったんです。でもいまは、家庭環境の変化やSNSなど、目に見えないところで複雑な要因が絡み合っています。そうしたなかで、子どもたちの生きるエネルギーが奪われ、学校に行けなくなってしまうと感じています」(哲也さん)

 哲也さん自身も、中学校の教員になった1年目に不登校になり、2年目で退職。その後、故郷の広島に戻って塾をはじめました。現在は、高校のサポート校や放課後等デイサービス、フリースクールなどをたちあげています。

 康子さんにとっても、不登校は身近な経験でした。小学4年生で学校に行けなくなった娘を、当初は「なんとか学校に行かせなければ」と考えていたといいます。

「当時は、いま以上に不登校への偏見が強くて、『どうにかして連れてきてください』という雰囲気だったんです。だから私も、「なんとか連れていきたい」「なんとかしたい」という思いがすごくあって。いま思えば、無理やり行かせようとしていました」(康子さん)

 転機となったのは、同じように不登校の子どもを持つ、ある母親からの言葉でした。

「私たちの子どもって、なにも悪いことをしていないよね」。そのひと言に衝撃を受け、肩の力が抜けたという康子さん。娘も少しずつ変わり、中学3年生からは毎日学校に通えるようになりました。

「娘の姿をそばで見てきて、見守ることもすごく大切なんだと思いました。子どもたちの可能性は無限です。学校がすべてではありません。自分の良さをどんどん伸ばせる居場所を見つけることが大事だと思います」(康子さん)

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