姫路信用金庫(本店:兵庫県姫路市十二所前町105)はこのほど、取引先企業の景況感を調べる「景気動向調査」を行い、結果を「ひめしん景況レポート(2026年6月期)」として発表した。調査は6月上旬、取引先450社を対象に実施、448社から回答を得た。対象期間は、26年4月から6月までの3か月間。
同金庫の調査は1975年から四半期に一度実施しており、今回が203回目。対象は兵庫県播磨地域から明石市・神戸市にかけての企業で、「製造業」と「非製造業(卸売/小売/運輸・サービス/建設/不動産)」の計6業種に分けて行う。中小企業や地場産業の業況を反映した調査となっているのが特徴。

調査の結果、全体の業況判断DI(景況が「良い」と感じている企業の割合から「悪い」と感じている企業の割合を引いた指数)は、全業種の総合で前期(26年1-3月期)から5ポイント減の▲8と2四半期連続で悪化した。業種別で見ると、「製造業」は前期から2ポイント減の▲6。「非製造業」も前期から5ポイント減の▲8となり、いずれも悪化した。
同金庫の担当者は、「コロナ禍以前の景況感に戻りつつあったものの、海外情勢の不安定さや国内の物価高騰、円安への懸念などから足踏み状態が続いている」と分析。来期については、「海外情勢の影響が長引くと見込まれ、業況判断DIも悪化が予想されることから、先行きを慎重に見守りたい」とした。
【製造業】2四半期連続で悪化。21業種中、食料品や輸送用機械器具など6業種で改善し、悪化したのは一般機械器具や皮革製品など8業種だった。改善した業種では、新工場の建設による受注増加に加え、値上げ交渉を進めるなど価格転嫁に踏み切る企業も見られた(輸送用機械器具)。一方、悪化した業種では、価格転嫁を進めているものの、原材料価格の上昇に販売価格が追い付かないとする声もあった(一般機械器具)。来期の予想業況判断DIは▲12と今期から悪化する見通し。
【非製造業】▽卸売業……改善▽運輸・サービス業……悪化▽不動産業……悪化▽小売業……2四半期連続の悪化▽建設業……2四半期連続の悪化。来期の予想業況判断DIは、これら全業種で4~19ポイント悪化する見通し。人材確保に加え仕入価格の上昇や資材不足・消費者の節約志向など、複合的な課題が経営を圧迫している。
また「中小企業における価格転嫁について」をテーマに特別調査を実施。「ここ数年の原材料・仕入価格の上昇分を、どの程度販売価格に転嫁できているか」との問いに、「転嫁できている」とした回答割合は87.6%となり、「全く転嫁できていない」の回答割合7.9%を大きく上回った。
「価格転嫁を進めるうえでの課題は何か」との問いに、「課題がある」と回答した企業(83.6%)のうち、従業員規模が1人以上10人未満の階層で一番多かったのは「値上げによる顧客離れや取引停止が心配」であった。従業員規模が10人以上の各階層では、「価格変更のタイミングが難しい」が一番多い結果となり、規模による違いが見られた。
同金庫の三宅理事長は、「業況判断DIは悪化したものの、企業活動そのものは底堅く推移している」とした上で、全国的に企業倒産が増加していることに触れ、「海外情勢だけが要因ではなく、これまで積み重なってきた課題が表面化している面もある」と指摘。「こうした大きな環境変化の中で、企業がどの方向へ進むかを見極めることが重要になる」と述べた。
(取材・文=洲崎春花)





