8月といえば、強い日差しにセミの声、突然の夕立ーー。暑さに意識が向きがちな季節ですが、古くから伝わる暦「七十二候」に目を向けると、少しずつ秋へ向かう自然の変化が見えてきます。
こうした8月の季節の移ろいについて、播磨国総社射楯兵主神社(兵庫県姫路市)祭務部の尾崎祐彦さん(※崎はたつさき)に話を聞きました。

8月上旬の「大雨時行(たいうときどきふる)」は、夕立や雷雨など、大雨がときどき降るころを表したもの。夏の暑さによって空気中の水分が増え、積乱雲が発生しやすくなる時期でもあります。
8月7日には、二十四節気の「立秋」を迎えました。暦のうえでは、秋のはじまりです。七十二候では、そのころを「涼風至(すずかぜいたる)」と表現します。まだ厳しい暑さが続いていても、朝夕にふと涼しい風を感じることがあります。昔の人は、目には見えない“風”の変化から季節の移ろいを感じとっていたのでしょう。
続く「寒蝉鳴(ひぐらしなく)」では、ヒグラシの「カナカナ」という声が聞こえはじめるころを表します。暑い日が続くなかでも、その鳴き声にどこか秋らしさを感じる人も多いのではないでしょうか。

8月後半の「蒙霧升降(ふかききりまとう)」では朝晩の霧、「綿柎開(わたのはなしべひらく)」では綿の実がはじけて白い綿が現れる様子、それぞれが季節の目印になります。
8月末の「天地始粛(てんちはじめてさむし)」は、夏の暑さが少しずつ落ち着きはじめるころ。まだまだ暑い時期ですが、朝晩の空気や空の高さなど、自然のなかに秋の兆しが現れはじめます。
尾崎さんは、「現代では天気予報などで知ることができる季節の変化も、昔の人々は風や雲、生き物の様子など、身近な自然から感じ取っていた」と説明します。





