明るさの中にわずかな憂い 「OSAMU GOODS」誕生50年 原田治の世界を京都で体感

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「懐かしい」「これ持ってた!」。そんな声が沸き起こりそうな展覧会「The 50th Anniversary OSAMU GOODS 展」が13日(日)から大丸ミュージアム〈京都〉大丸京都店6階で開かれる。イラストレーター原田治(1946~2016年)が生み出した人気キャラクターグッズブランド「OSAMU GOODS(オサムグッズ)」の誕生50周年を記念したもので、1970年代~90年代に一世を風靡(ふうび)したキャラクターたちの魅力を、当時の資料で振り返りながら、半世紀にわたって支持され続ける「かわいい」の秘密に迫る。10月5日(月)まで。

展覧会メインビジュアル

 OSAMU GOODSが誕生したのは1976年。原田がイギリスの伝承童話「マザーグース」に着想を得て、キャラクターグッズのブランドとして立ち上げたのが始まりだった。デザインの背景には、原田が1960年代のアメリカの雑誌「Seventeen」などで目にした少女たちや、ハリウッド映画に登場する女優たちへの憧れがあった。少女たちの身の回りにある小道具や生活雑貨などからもヒントを得ながら、独自の感性でキャラクターやモチーフを生み出していった。

 OSAMU GOODSの魅力を語る上で欠かせないのが、原田独自の「かわいい」観だ。原田は「かわいい」を、単に幼く愛らしいものとして捉えていたわけではない。「明るく、くったくがなく、健康的な表情であること。そこにわずかな淋しさや切なさを隠し味にすること」。そんな定義を掲げ、シンプルで親しみやすい線の中に、どこか物憂げなニュアンスを忍ばせた。

『OSAMU‘S MOTHER GOOSE』布製絵本(コージー本舗) 1976年
「OSAMU GOODS NEWS VOL1」ニュースペーパー(販促物)  1970年代後半

 この絶妙なバランスが、1970年代後半から90年代にかけて中高生から20代の女性を中心に幅広い支持を集めることになる。ノートや文房具、食器、バッグなど、日常生活の中で使うさまざまなアイテムに描かれたキャラクターたちは、当時の若者文化を象徴する存在となった。

 今回の展覧会では、2026年に50周年を迎えるOSAMU GOODSの歴史を、当時の資料とともに紹介。半世紀前に生み出されたデザインが、なぜ今も世代を超えて人々を引きつけるのか。原田のデザイン哲学や、時代を超えて多くの人に愛されてきた背景を探る。

スクールバッグ  1982年

 展覧会では、作者が手掛けた幅広い仕事にも注目する。原田は1970年、雑誌「an・an」創刊号でイラストレーターとしてデビュー。1976年にはカルビー「ポテトチップス」のキャラクター「ポテト坊や(通称)」を手掛け、1984年からはミスタードーナツのプレミアム(景品)用イラストを担当した。さらに1988年には、崎陽軒のしょうゆ入れとして知られる「ひょうちゃん」にも携わった。

 いずれも日本の暮らしの中で長く親しまれてきた仕事であり、原田のイラストがキャラクターや商品を通じて幅広く浸透していったことを物語る。原田が大切にした、明るさや健康的な表情に、ほんの少しの寂しさを加えるという美意識は、流行に左右されない普遍性を持ち、初めて触れる今の若い世代にも魅力的に映ることだろう。

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