大丸心斎橋店(大阪市中央区)で、大阪発祥の伝統芸能・文楽とファッションを組み合わせた展示『文楽ひとます座』が9月4日からスタートした。
服飾専門学校の学生がデザインした衣装をまとった文楽人形8体を館内に展示し、伝統文化と若い世代の感性の融合を表現している。

大丸心斎橋店の開業300周年企画の第3弾。9月のテーマ「大阪とともに」に合わせ、大阪の文化を次世代につなぐ取り組みとして、国立文楽劇場、学校法人大阪文化服装学院ヴォートレイルファッションアカデミーと共同で企画した。
衣装を制作したのは、同校のスーパーデザイナー学科で学ぶ19人。4チームに分かれ、約5か月をかけて8体の衣装を制作した。学生は国立文楽劇場で公演を鑑賞するなど、文楽について学びながら制作を進めた。

作品の共通コンセプトは、心斎橋エリアが持つ「二面性」。
4階の「継」×「繋」は、華やかな昼と艶やかな夜を表現した。5階の「ヒコ」×「黒影」は、近代百貨店の象徴の一つであるエレベーターをモチーフに、大丸の社是「先義後利」を表現。6階の「カイ」×「ヨウキ」は、華やかな百貨店を「灯火」、それを支える裏方を「灯し手」として、表裏一体の「義」と「利」を表した。8階の「兎美」×「亀吉」は、館内の装飾にある「兎と亀」をヒントに、300年の伝統と革新の融合を表現している。
(※「継」「繋」「ヒコ」「黒影」「カイ」「ヨウキ」「兎美」「亀吉」は、人形の名前)


衣装には、洋風の顔や靴、3Dプリンターで制作した髪飾りなど、従来の文楽人形とは異なる表現も取り入れた。一方で、人形遣いが操作するために必要な背中を開けることなど、文楽人形としての構造や技術上のルールは維持。大丸心斎橋店の担当者によると、文楽側からデザインについての細かな制限は設けず、学生の発想を生かしたという。
展示前夜には、国立文楽劇場から床山や技術、メイクのスタッフらが集まり、人形の着付けや髪の調整などを実施。人形の着付けを担当した人形遣いの吉田簑一郎さんらが、夜中2時までミリ単位の調整を続けたという。


◆文楽ひとます座〜大阪の地が生んだ伝統と革新の出会い〜
会期 9月4日(金)~10月1日(木)
※本館1階御堂筋側イベントスペースのみ、9月23日(水・祝)まで
場所 大丸心斎橋店本館1階御堂筋側イベントスペース、4・5・6・8階エスカレーター前
【大丸心斎橋店 開業300周年 特設サイト】





