また、俳優と監督という立場を超える特別企画「女優から監督へ 監督から女優へ」では、黒木瞳・常間地裕共同監督の「指飛行機の行方」を公開。1985年8月、日本航空123便が群馬県上野村の「御巣鷹の尾根」に墜落、520人が犠牲となった。犠牲者の1人、元宝塚歌劇団の北原遥子さんは、黒木監督の宝塚時代の同期生で、友人でもあった。作品は、若い音楽家が音を探す旅の途中で群馬の山里を訪れ、沢のせせらぎや自然の音、人々の証言に耳を傾けながら御巣鷹へと向かい、そこで拾い集めた「声」や「音」を音楽として再構築していく姿を描く、25分のドキュメンタリーだ。
同企画では、松田美由紀監督の「カラノウツワ」、中川龍太郎監督の「恒星の向こう側」も上映する。「恒星の向こう側」では河瀨直美さんが俳優として出演、主人公の母を演じている。河瀬さんは同作で、第38回東京国際映画祭の最優秀女優賞を受賞した(主演の福地桃子さんと“母娘”ダブル受賞)。演じる側と撮る側の境界を越える3作品は、今回の「CROSS」を象徴する企画として注目される。
そのほかカンヌ国際映画祭、ベルリン国際映画祭の優秀作品公開に加え、日伊国交樹立160周年を記念したイタリア映画特集もあり、「ニュー・シネマ・パラダイス」など映画史に残る名作も披露される。1922年撮影の奈良最古級のフィルム映像「吉野群峯」と、1900年代初頭のイタリアのサイレント映画を、弁士と楽士のライブパフォーマンスとともに楽しむ特別上映も行われる。
初日の19日には、東大寺大仏殿前で6年ぶりとなる「祈りのレッドカーペット」が開催され、ミャクミャクや奈良県マスコットキャラクターのせんとくんも登場する予定。
河瀨直美さんは「ミャクミャクとせんとくんが手をつなぐ道ゆきの先に、世界の映画と祈りが交わり、響き合う時間がある。5連休は、1300年の古都・奈良で、心を鎮めるひとときを過ごしてください」と話している。
チケットは、全日フリーパス5000円、各上映会の個別チケット1000円、祈りのレッドカーペット」オープニングイベント特別チケット5万円ほか。問い合わせは同映画祭事務局、0742-27-2216。





