「スイーツは美容と健康のために食べる」というのが、香港の文化だそうだ。「あと一つだけ……」とか、「ダイエット中だけど今日だけ……」と、我々のように罪悪感に苛まれることなどない。肌が荒れている時はカメゼリー(亀の甲羅の内側のエキスと漢方薬を煮詰めて固めたゼリー)、暑い日に体温を下げたりむくみを解消したいときはマンゴープリン、などなど、その日の体調に合わせて適切なものを選ぶのだという。
これに大きな衝撃を受けたオーナーの舩原かな子さんが、「この文化を日本にもっと広めたい!」と『Hong Kong Hot Pot Cafe 甜蜜蜜(ティムマッマッ)』をオープンした。商業施設「クレフィ三宮」の6階、レトロで落ち着く内装が特徴だ。
こちらでは、おひとりさまサイズの「美肌薬膳火鍋」や「薬膳水餃子」をはじめ、レパートリー豊かな香港スイーツや、中国茶など多種多様なドリンクを提供している。
薬膳料理、と聞くと「味がない」「おいしくなさそう」というイメージを持つ人もいるだろう。しかし、「甜蜜蜜」ではおいしいものしか出さないのがポリシー。香港人の知恵が詰まった健康で美味しいものだけがメニューに並ぶ。
メインとなる「薬膳ひとり火鍋セット」は、干しえび&干し貝柱のスープか、香港ピリ辛サテスープの2つからスープを選ぶと、美肌に有効な薬膳食材が1人用の鍋にたっぷり入った状態で提供される。なかには、セロリやレタス、トマトといった鍋の食材としては珍しい野菜も。これが意外と合う。なつめやクコ、松の実の食感が楽しく、豚ロースやいか団子とも相性ばっちり。野菜を楽しんだあとはイーフー麺(ゆでた麺を揚げたもの)を入れて完成だ。食事の最後には、本格的な中国茶がついてくるのもうれしいポイント。
ボリューム満点の火鍋を楽しんだ後は、いよいよスイーツだ。この暑い時期のおすすめは、「美肌緑豆氷(びはだりょくとうごおり)」。陳皮(みかんの皮)で香りづけした緑豆あんをのせた台湾風のかき氷である。エバミルク(無糖練乳)をたっぷりかけて崩しながら食べていく。食感が楽しく、食後でもさらさらと食べられる一品だ。緑豆にはデトックス効果や熱を下げる効果があり、たっぷりと乗せられているハトムギにも、美肌効果やむくみ解消が期待できる。
もとは香港映画のロケ地めぐりがきっかけで香港料理の魅力にはまったという、オーナーの舩原さん。「スイーツに対する考え方をもっと広めたいと思った。香港のおいしい食事やデザートを、このお店を通して皆さんの身近なものにできればうれしい」と笑顔で話す。
『Hong Kong Hot Pot Cafe 甜蜜蜜』
http://hkhotpotcafe.com/
クレフィ三宮『Hong Kong Hot Pot Cafe 甜蜜蜜』紹介ページ
https://www.clefy.jp/shops/index/133