西宮市の障害者支援施設で複数の入所者が虐待された事件で、神戸地検尼崎支部は2日までに、寝たきりの男性(53)に対する傷害容疑などで逮捕され た元職員の男(32)を傷害罪で起訴した。また兵庫県警は、ほかに重度の身体的、知的障害のある男性(27)に頭突きや平手打ちなどをしたとして、4日までに暴行容疑で再逮捕し、追送検した。
再逮捕容疑は2020年6月22日、男性の頭を平手打ちして尻を蹴り、7月1日には背中を蹴って額に頭突きし、7月3日午後にも腹部を数回両手で圧迫した疑い。兵庫県警によると、男は仕切りのある4人部屋で、布団の上で寝たり座ったりしている男性を着替えなどで介護中に暴行したとみられる。「職場でのストレスでやった」などと容疑を認めているという。
施設内のカメラ映像の解析で、男が2020年6月以降、入所者の男女合わせて10人に対し、口を押さえ、手足や背中をたたいたり蹴ったりするなどの虐待を繰り返していたことがわかった。施設側は8月、男を懲戒解雇処分としている。 施設を運営する社会福祉法人は「本人へ適切な指導ができなかったのは組織の問題。こうした問題点に気付ける職場風土が築き上げられなかった」と謝罪。事実関係を調査し、再発防止策を検討する第三者委員会を9月に設置している。