「ハラスメント対応は『ここまでやるの』くらいやらないとダメ!」平田オリザが語る“優秀な人があつまる組織論” | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「ハラスメント対応は『ここまでやるの』くらいやらないとダメ!」平田オリザが語る“優秀な人があつまる組織論”

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 自身の冠ラジオ番組『平田オリザの舞台は但馬』(ラジオ関西)で、少年時代に決行した自転車世界一周の話を披露した、劇作家・演出家の平田オリザさん。11月12日の放送では、帰国後、劇団「青年団」を立ち上げるところから、劇団運営における「組織論」にいたるまでを縦横無尽に語った。

平田オリザさん
平田オリザさん

 自転車の旅で「頭でっかち」ならず「体験でっかち」になったため、「この体験を理論立てて整理する必要がある」と感じた平田さんは、大検を経て大学に入学。この頃、すでに旅行記をしたため「作家」デビューは果たしていたが、「人に気を遣いすぎる」ためノンフィクション作家には向いていないと判断。「フィクションといえば、演劇」と、近くにいた学生を集め劇団を結成する。これが今も主宰する「青年団」の始まりである。

 劇団運営において平田さんが留意しているのは「劇団員と1対1で向き合い、ヒエラルキーを作らない」こと。

 90年代末、女性が出産しても続けられる組織を目指そうと具体的に動いた結果、日本の劇団で初めてハラスメント規定を設けることになる。そのなかには「先輩が後輩を飲みに誘わない」などユニークな規定も。「立場の弱い人間が断りにくい状況を作らないこと」が大切だとし、劇団員にも「コミュニケーションをオープンにすること」を促す。劇団の活動は地方公演など、生活をともにする場面も多いため、一度人間関係が壊れると修復が難しい。だからこそ、平田さんは開かれたコミュニケーションを大事にする。その結果、「こんな劇団なら参加したい」と優秀な俳優が集まってくる。

「ハラスメント対応は『ここまでやるの!?』くらいやらないとダメ」と平田さん。耳が痛い、という管理職の方も、もしかするといるのではないだろうか……。

平田オリザさん主宰・劇団青年団の拠点となる江原河畔劇場 (写真:ラジオ関西)
平田オリザさん主宰・劇団青年団の拠点となる江原河畔劇場 (写真:ラジオ関西)


※次回の番組では、劇作家・演出家の岩松了さんを迎え、兵庫県立ピッコロ劇団との関わりについて話を聞く予定。

※『ラジコ』では放送後1週間はタイムフリーでの聴取が可能。番組では、平田オリザさんが、ともにパーソナリティーを務める田名部真理さんと、これまでの自身の話しや演劇界への思い、移住拠点となっている兵庫・豊岡、但馬地域について、トークを進めていく。

『平田オリザの舞台は但馬』
放送日時:毎週木曜日 13:00~13:25
放送局:ラジオ関西(AM 558khz / FM 91.1mhz)
パーソナリティー:平田オリザ、田名部真理

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平田オリザの舞台は但馬 | ラジオ関西 | 2020/11/12/木 13:00-13:25

放送後1週間聴取可能、エリア内無料 radikoプレミアム会員はエリア外聴取可

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