11日午前の兵庫県議会本会議で、来夏にも予定される県知事選に立候補せず、任期限りで退任する意向を表明した井戸敏三知事(75)が同日夕、記者会見を開いた。質疑応答の要旨は次の通り。

――退任を決めたのはいつか。
【井戸知事】 5期目に当選した2017年7月から「6期目の挑戦はない」と思っていた。(2020年)2月議会だと早すぎるし、(来年・2021年)3月議会だと「井戸がまた知事選に出るのでは」との期待が高まる。その前の(2020年)12月議会の最終日での退任表明となった。
――退任を決めた理由は。
【井戸知事】 知事の任期ごとに課題を掲げて、たまたま5回続けて選挙で当選させていただいた。6回目に挑戦しても何らおかしくないが、来年の7月は75歳11か月。2021年1月に就任すれば、アメリカ史上最高齢の大統領となる(ジョー・)バイデン氏(78)より年齢は下といっても、知事を長く続けていると、発想と行動がパターン化してくる可能性がある。そうならないように心掛けてきたつもりだが、この際に交代した方が、新しい課題への対応力が生まれるのではないかと考えた。
――次の県知事選については
【井戸知事】 自民党の知事選検討委員会も議論しているが、私が去就をはっきりさせないと議論が前に進まない。「井戸は立候補しないぞ」と表明することで、議論を次のステージに進めてほしいという思いもある。新たな発想とそれを実現する行動力、先見性を強く有している方に(後継者として)期待したい。
――金澤和夫副知事(64)を後継として考えているか。
【井戸知事】 自民党が委員会で検討しているわけだから、コメントはしないほうがいい。ただ、金澤副知事とは一緒に仕事をしてきたので、「後継に望ましい」とは言えるかもしれない。