神戸市中心部と神戸空港を結ぶポートライナー・神戸空港駅(神戸市中央区)で2019年、券売機から現金約63万円を盗んだとして、窃盗罪に問われた神戸新交通の元運輸助役の男性被告(60)に、神戸地裁は7日、「他の人物によって盗まれた可能性が残る」として無罪判決を言い渡した(求刑・懲役2年6か月)。
検察側は「被告は事件前後に券売機の金庫を開けており、現金を窃取することが十分可能だった」と主張したが、神戸地裁は判決で、別の職員が精算機の現金を回収した際に盗まれた可能性が残るとして退けた。
防犯カメラの映像には、男性被告が券売機内の金庫を開け、カメラの位置を確認するような様子があったが、手元は写っておらず「この事実から被告が犯人だとまでは言えない」と判断した。神戸地検は「判決内容をよく検討し、上級庁とも協議の上、適切に対応したい」とコメントした。
判決によると、男性被告は2019年4月中旬、神戸空港駅で券売機や精算機の売上金計約63万円を窃取したとされる。2020年2月、売上金が不足した前後に当直勤務をしていたとして窃盗容疑で兵庫県警に逮捕された。