兵庫県は8日午後に開いた新型コロナウイルス対策本部会議で、大阪府・京都府と連携し、政府に対して緊急事態を宣言するよう要請することを決めた。兵庫県と神戸市などは5日、「ただちに緊急事態宣言を求める状況ではない」との認識で一致していたが、3日で判断を覆した。
同日夜に会見した井戸敏三知事は、「新たな陽性者がここ4日連続で200人を超えるなど急増し、首都圏と同様の動きを見せているといえる。様々な国の基準に照らしても感染拡大の速度が増していると判断した」と説明。9日にも井戸知事と吉村洋文知事(大阪府)、西脇隆俊知事(京都府)の3知事がそろって西村康稔・経済再生担当大臣への申し入れると表明した。井戸知事は、「明日(9日)の午後にも3知事で協議をして決意することになるだろう」とした一方で、「政府にすぐに対応いただくのはなかなか難しいのではないか。(仮に宣言する場合は)来週の後半ぐらいだろう」との見解を示した。
井戸知事はこれまで、飲食店などに対する営業時間短縮の要請について、「繁華街などでエリア的なクラスター(感染者集団)が発生しているわけではない」と、慎重な姿勢を崩さなかったが、県は12日から2月7日まで、神戸・芦屋・西宮・尼崎の4市で酒類を提供したり、接待を伴ったりする飲食店の営業時間を午後9時までに短縮するよう求める。罰則はなく、要請に応じた店には、1日4万円の協力金を店舗数や時短営業をした日数に応じて支給する。
現在、兵庫県の感染患者は症状次第で、医師が認めれば医療機関への入院を経ずにホテルなどで宿泊療養しているが、さらにその対象を広げ、病床のひっ迫を防ぐ。一方、県教育委員会は県内の公立学校に対し、受験や就職活動を除く教育活動や部活動などで県外での活動を自粛するよう要請する。