政府は、新型コロナウイルス感染患者が急増する兵庫・大阪・京都の3府県を対象とした緊急事態宣言を13日に出す方針を固めた。2021年に入って以降、感染拡大に歯止めがかからず、病床が逼迫(ひっぱく)している状況を踏まえ、3府県の知事は9日、西村康稔経済再生担当大臣に対し、宣言の再発令をそろって要請していた。
13日の再宣言では、兵庫県全域が対象区域となり、期間は14日~2月7日。県は既に、阪神間4市(神戸・芦屋・西宮・尼崎)で酒類を提供したり、接待を伴ったりする飲食店の営業時間を午後9時までに短縮するよう求めていたが、特別措置法に基づいて全域の飲食店、バー、カラオケ店を対象に、閉店時間を午後8時に前倒しにするよう改めて要請する(酒類の提供は午前11時から午後7時まで)。
要請は政府の基本的対処方針に沿い、先行して再発令された首都圏1都3県と同様の措置。兵庫県と京都府は当初、感染状況の地域差などを理由に時短要請の対象地域を限定する方向で検討していたが、3府県で対応をそろえた。
要請に応じた場合は、1日6万円の協力金を店舗数や時短営業をした日数に応じて支給する。これらに加え、スポーツジムやパチンコ店、映画館などにも同様の働きかけを行う。県は午後8時以降は特に徹底して、不要不急の外出自粛を県民に要請する方針。
イベントの開催については、屋内外ともに人数の上限を5千人とするうえ、屋内の収容率は50%以内に収め、屋外では十分な間隔をとることを求めるが、チケットの販売が済んでいるものには適用されない。また、出勤者数をは7割減らすことを目標にテレワークや時差出勤などの徹底を呼び掛ける。
12日の対策本部会議後に会見した井戸敏三・兵庫県知事は、「我々はそれだけ深刻な事態なのだという共通認識を持たなければならない。国の基準で、ほぼ『ステージ4(最も深刻)』の状況にあることを厳しく受け止めていただき、感染者数をこれ以上は増やさないという心構えで適切な行動をとってほしい」と強調した。