2万年前に人類が初めて生み出した器を起源として、現代までの陶磁器の歴史を伝えるドキュメンタリー。映画 『陶王子 2万年の旅』が、1月16日(土)から大阪・第七藝術劇場で、1月29日(金)からMOVIX京都で公開されます。
粘土の手触りが気持ちよくてこねくり回していた古代の人が、それを火に入れたとき硬いものが生まれた…それが土器、つまり陶磁器の始まりだそうです。人類で初めに土器を手にしたのはオーストラリアの先住民。2万年前です。
青森県ではおよそ1万5000年前の縄文土器が見つかっていて、これが日本最古です。メソポタミアでは、1万年前に土器づくりが始まり、窯とロクロが発明されて、やがて車輪へ発展しました。中国には、西アジアから青銅器が伝わって、「金属に負けない焼き物を作りたい」とする陶工の努力の結晶として磁器が誕生したそうです。
この作品は、人類が知恵を使って工夫を重ね、陶磁器を進化させていく歴史をたどるドキュメンタリー映画です。
陶磁器を擬人化したキャラクターが登場、のんがナレーションを務めます。「僕の父は炎、僕の母は土。父と母はどのように出会い、僕は生まれたのだろう?」器の妖精“陶王子”が、器の発展に合わせて成長していく物語。
柴田昌平監督によると、自分のカップ(マイカップ)を自宅や職場に置いて大切にする習慣があるのは、世界中で日本だけなのだそうです。
縄文時代に土器を生み出し、現代では宇宙船の素材となるファイン・セラミックで最先端を走る日本。柴田監督は、「日本にいるあなたただからこそ、人類と陶磁器のドキュメンタリーを作れる」という手紙をフランスの陶芸家から受け取ったのをきっかけに、この作品を足かけ6年かけて完成させました。
『陶王子 2万年の旅』 公式HP
http://asia-documentary.kir.jp/ceramics/
『陶王子 2万年の旅』 予告編