声優・タレント・ラジオパーソナリティーとして活躍する“み~たん”こと、木村三恵さんが、なつかしのレコードに思いをはせてつづるコラム、「み~たんの名作レコード実況Lock-on」。今回、レコードの針をおとすのは、宝塚歌劇団花組公演「テンダー・グリーン」1985年9月28日宝塚大劇場公演収録の実況録音LPです。

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長年“ふぁん”をしているなかで「一番好きな作品は?」とか「一番好きな役は??」なんてことをよく聞かれますが、そんな(!!)たくさんありすぎて、決められな~~~~い!ってのが本音。
ただ、「好きな曲は??」と聞かれると、自然と頭に流れてくる思い入れの強い曲が何曲かあります。
そのうちの1曲が、1985年に花組で上演された作品「テンダー・グリーン」の曲「心の翼」。演出家の正塚晴彦先生が詞を書き、高橋誠さんが作・編曲されたナンバー。
幕開き、緑豊かな森の中で、そこに住む人々が、森と一体となって、のびやかに歌う曲。衣装は緑の妖精のような……緑のもじもじくんのような……そんな緑の総タイツではありましたが、明るい陽射しや、さわやかな風を感じられる本当にステキな曲です。
でも、お話のラストで(※ネタバレ注意)ヒロインのメイが死んだ後、みんなでつながって歌うシーンでは、本当に苦しい……生命の大切さが胸にしみる曲となるのです。
「なぜ 苦しむのだろう なぜ 悲しむのだろう
生きていることがつらいなんて 思いたくはない
生命は愛しいと 抱きしめてみればいい
その手のぬくもり伝わるなら 恐れは消え去る」
(以上、「テンダー・グリーン」より)
このフレーズは、つらいことにぶち当たったときによく思い出します。心の翼にのせて、願いを込め、はばたけ……という歌詞が、いつも力をくれます。