神社・仏閣を訪れる「御朱印」に続く新たなブームとなっている「御城印(ごじょういん)」。お城を訪れた記念や証明となるもので、販売している全国のお城は約500にものぼるという。公益社団法人・姫路観光コンベンションビューローは2020年2月、姫路城を訪れると購入できる「姫路城入場記念書(御城印)」の販売を開始、あまりの人気ゆえに転売されるケースもあったため、購入枚数を1人3枚までに制限したほど。今回はデザインを一新して2月1日(月)から販売、特製の御城印帳も用意した(※販売予定期間は7月31日まで)。
「姫路城」の文字は姫路城主・本多家の墓所のある書写山円教寺・大樹孝啓(おおき・こうけい)第百四十世長吏(住職)が揮毫した。円教寺には本多家の墓所があり、五棟の廟屋は、江戸初期から中期にわたる廟屋の建築として県内でも例がなく、兵庫県指定文化財となっている。
初代の「御城印」は姫路藩主・酒井忠以(さかい・ただざね)の直筆の日記から抽出された「世界遺産姫路城」の文字と、酒井家の家紋である剣酢漿草(けんかたばみ)がデザインされたが、今回は歴代の姫路藩主をつとめた本多家の家紋、『丸に立ち葵(たちあおい)』と、德川家から本多忠刻公に輿入れした千姫にちなんだ『葵の御紋』を配した。本多家の家紋は姫路城の瓦に残っていたものを、葵の御紋は千姫が神社に奉納した羽子板にある葵の御紋をモチーフに制作。
また、平安時代から多くの和歌に「飾磨の褐(かち)」などと詠まれた「かちん染め」の色合いをモチーフにした濃紺色の姫路城御城印帳も販売。さらに姫路市特産の「白くなめした牛革」の名産品、姫革細工のカバーをセットした豪華なものとなっている。カバーのデザインの家紋は、現在の姫路城の形となった江戸時代の城主の家紋と姫路ゆかりの武将の一人、黒田官兵衛の黒田家の家紋を配置。
※現代での「褐色(かっしょく)」は黒みを帯びた濃い茶色を意味するが、「褐色(かちいろ)」は中世や近世の日本で濃い藍色のことを指す。
《価格》
■姫路城入城記念書(御城印)1枚300円(税込)
■姫路城御城印帳 1冊 3,500円(税込)
■姫路城御城印帳・姫革細工カバー付 1冊16,000円(税込)