コロナ禍で苦境に立たされる店が多いなか、兵庫県西宮市にある飲食店が、存続をかけてクラウドファンディングに初挑戦した。迷った末の決断で得たのは「お金以上のもの」だという。
阪神西宮駅近く。レトロなビルにある「喫茶とお酒 花と寅」は、元・花屋で寅年生まれの店主、福山貴子さんが2018年に始めた隠れ家風の店。お酒も飲めることから “不純喫茶”を名乗る。
地元兵庫県へのこだわりも強く、“不純喫茶”らしいメニュー「日本酒アフォガート」には西宮の銘酒「白鹿」を注ぎ、「イングリッシュショートケーキ」には姫路の人気スコーン店の品を使う。
ファンが多いのは焼き菓子とクリームソーダだ。特に、色を20種類から選べるクリームソーダは、「推し色」(好きなアイドルやキャラクターのイメージカラー)が見つかるとして昨年SNSで話題となり、客が全国から訪れるきっかけとなった。実は焼き菓子は、昨年の緊急事態宣言下、約1か月半休業した際に苦肉の策で始めたもの。クリームソーダも休業中に色を増やした。両者が思いのほか好評を呼んだおかげで、その時を乗り切ることができた。
しかし今年1月、兵庫県へ再度の緊急事態宣言発令。状況に配慮し自主的に営業時間を短縮していたことが裏目に出て、協力金は給付対象外に。「自粛」のもと客足は遠のいた。悩みに悩んだ末、たどりついたのがクラウドファンディングだった。
経営者として正解かどうか答えも出せないまま、ひたすら店の魅力を書きつづった。「焼き菓子部門の拡大を!」と、設定した目標金額は80万円。リターンは焼き菓子のほか、「誕生石カラーのクリームソーダ」の提供が付いた「友の会」会員証など10種類以上を用意した。
そして1月28日、クラウドファンディングサービス「キャンプファイヤー」でプロジェクトを公開した。果たして……。
【クラウドファンディング「花と寅 お店の存続をかけて焼き菓子売り場を拡大したい!」】
「喫茶とお酒 花と寅」
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