赤穂市の配水池整備工事をめぐる贈収賄事件で、収賄容疑で2021年1月に逮捕、送検された市の浄水施設担当課長の男(58)が「借金の返済に充てた」と容疑を認めていることが捜査関係者への取材でわかった。
神戸地検は10日、担当課長の男を加重収賄罪で起訴した。また岐阜県に本社を置く建設設備製造会社・大阪支店(大阪市淀川区)などに所属する営業担当の男(48)ら社員3人も贈賄罪で起訴した。
捜査関係者によると、担当課長は多くのブランド品を購入する癖があり、多額の借金があったと話し、「借金返済のために自分から(営業担当の男に)話を持ち掛けた」いう趣旨の供述をしているという。
起訴状によると、2020年6月に赤穂市が条件付き一般競争入札を実施した「御崎配水池整備工事」と、2021年度発注見込みの「北野中浄水場第1系浄水池更新工事」をめぐり、担当課長がこの業者のタンクを納入しやすくするよう、仕様書を書き換えるなどの便宜を図った見返りに、業者側から謝礼として2020年3月に210万円、5月に8万円を受け取ったとされる。
御崎配水池整備工事は元請け会社が落札、業者はタンク設置などの工事を約8千万円で受注した。