地元・明石で取れるノリの美味しさをラジオCMで広く伝えようと、神戸大学附属小学校(明石市)の3年生が、ノリの特徴や加工工程を調べる学習を続けている。ラジオ関西の『時間です!林編集長』(月~木、午後3時~)はこの取り組みに密着取材し、特集コーナーを設けて学習の経過を伝え続けてきた。3月12日、この特集は最終回を迎えた。
(『時間です!林編集長』 | ラジオ関西 | 2020/03/12/木)
2月26日、3年生の児童たちはそわそわしながら、その時を待っていた。約1か月にわたって続けられてきたノリの学習が、この日で最後だからだ。これまで、加工場や流通センターを見学したり、見聞きして感じたこと・疑問に思ったことをまとめる作業を積み重ねてきた。何度も原稿を書き直し、ようやく臨んだ収録も、ハプニングの連続だった。そうして完成したCMを全員で聴く。ドキドキしないわけがない。
1人1枚、コメントカードが配られ、CMを聞いてよかった点・印象に残ったことなどを記していく。
耳を澄ませる児童たち。改めて、積み重ねてきたノリの学習を振り返る。見学した加工場や流通センター、兵庫のりに携わるたくさんの人の顔が浮かぶ。18本のCMはすべて子どもたちの力作だ。児童の顔も、先生の表情も、どこか誇らしげだった。中には、初めて客観的に聴く自分の声に「僕こんな声じゃない!」と戸惑う児童も。学習はにぎやかに進んだ。
18本のCMを聴き終わり、ここからが最も緊張の瞬間。ラジオ関西が選りすぐった「ラジオCMとしてよくできている作品」が発表される。児童たちは固唾をのんで先生を見つめ……。
見事に選ばれたのは、1組の8班と2組6班の作品!! 児童からは大歓声があがった。
さらにサプライズ発表が、児童たちに待っていた。
「児童たちが等しく努力して作り上げた18本のCMを放送し、兵庫のりの魅力を伝える手伝いがしたい」とラジオ関西が奮起。すべての班のCMを通常のCMと同じように放送することが決まったのだ。先生からそのことが伝えられると、教室はより大きな歓声に包まれた。
CMは2月27日から3月6日にかけて数本ずつ放送され、児童はラジコ(radiko)などを利用して聴いたという。
出張授業などで子どもたちに授業をした、兵庫県漁業協同組合連合会「のり海藻部」部長の藤澤憲二さんは、「ノリや波の音を巧みに使って、兵庫のりの魅力や安心安全であることを存分に伝えてくれた」と喜びを語った。藤澤さんは移動の車の中で彼らのCMを聴いたそうだ。