世界的な桜の名所として知られるアメリカ・ワシントンのポトマック河畔。毎年桜の季節になると多くの人でにぎわう。ポトマック河畔の桜は1912(明治45)年に日米親善の証として日本から送られたもので、植木の産地として高い園芸技術を持つ伊丹市東野地区で台木が作られた。100年以上前に贈られた桜の原木の一部は、今でも美しい花を咲かせている。
また、2003(平成15)年には、ワシントンの桜の苗木(里帰り桜)が、日本に贈られ、伊丹市の瑞ヶ池公園に植樹された。瑞ヶ池公園はソメイヨシノをはじめ、オオシマザクラやヤマザクラなどおよそ10種類600本の桜の木が植えられており、桜の名所として知られる。
伊丹市では「日米友好の桜にゆかりのあるまち」「ワシントンの桜は伊丹産」を多くの人に知ってもらおうと、さまざまな取り組みを行っている。
このほど、日米友好の桜記念品の販売が始まった。「桜の葉の香りするお茶」(みどり園)は、桜の葉の香り成分(クマリン)が含まれた珍しい日本茶。ほのかに桜餅の葉っぱの香りを感じることができる。
赤米を使った桜色のさわやかな日本酒「古代しぼり」(伊丹老松酒造)や桜庭の塩漬けをつき込み砂糖をかけた桜の花びらの形の「さくらせんべい」(三喜屋)の他、「さくらふわり」(香島園)は桜の花と葉が入った桜香る緑茶と紅茶のセットとなっている。いずれも伊丹市内で販売している。
また3月1日から4月中旬ごろまでは、市内の和洋菓子店5店による「桜スイーツ」の販売もスタートする。伊丹市の担当者は「歴史ロマンを感じながら、桜スイーツとお花見を楽しんでほしい」と話す。