兵庫県は6日、新たに276人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。1日当たりの感染者数が250人を超えるのは、1月22日(283人)以来、約2か月半ぶり。神戸市126人、尼崎市37人、西宮市27人などと、政府が兵庫県の一部地域に適用した「まん延防止等重点措置」の対象となっている地域で目立った。感染者の総数は2万1209人となり、死者の公表はなかった。
入院患者数は607人で過去最多となった。県が確保する839の入院病床に占める割合は72.3%。重症病床の使用率は63.7%にのぼり、宿泊病床も半数以上が埋まっている現状を、井戸敏三知事は、6日の定例会見で「かなり窮屈な状況になりつつある」と憂慮。「すぐの確保はできないが」と前置きしたうえで、さらに入院病床を100床程度、宿泊病床(現在は1015室)をさらに150室程度確保する考えを示した。
また「今は第4波のはしりから、本格化しつつあると考えて良いのではないか。まだまだピークを極める状況に至っていない」とし、週内にも対策本部会議と専門家会議を開く方針を示した。ここで病床の追加について話し合うほか、これまで認めていなかった「自宅療養」について見直す可能性を示唆。県はこれまで、新規陽性者については医療機関への入院、もしくは宿泊療養施設での療養を求めてきた。なお県内の入院調整(自宅待機)の数は6日午前0時の時点で400人近くに上る。井戸知事は、「この体制を続けられるかが焦点だ。症状が軽く重症化のリスクがない若者が、病床を占拠すると、入口での目詰まりが起きる」と指摘した。
「重点措置」の対象エリアは7日現在、神戸市、芦屋市、西宮市、尼崎市の4市。井戸知事は「まず、対象地域のこれら4市を中心に対応をしっかり進めていく。相当顕著にならない限り、区域拡大についての議論にならないだろう」とした。