初めての緊急事態宣言が発令されてから7日で1年。兵庫県の井戸敏三知事は、6日の定例会見で「まん延防止等重点措置が適用されるなど、1年経ってもこんな状況か、と思う。ただ、悔やんでいてもらちが明かない、しっかり取り組んでいく決意だ」と話した。
緊急事態宣言は2020年3月13日に成立した新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づき、安倍晋三首相(当時)が4月7日に兵庫、大阪や首都圏などの7都府県を対象として宣言。その後4月16日に対象が全国に拡大した。兵庫、大阪、京都の3府県で解除されたのは5月21日ことだった。
飲食店などに対し、営業時間の短縮を幾度となく要請してきた井戸知事は、その効果について、「放置すればもっと感染者数が増えていたはずで、間違いなく効果があった。3密を避けるのも大切だが、飛沫が飛ぶ範囲をどう防ぐか。大人数が長時間、というのが一番リスクの高い場面で、飲食の場をしっかり押さえるのは重要」と強調した。
これについて、神戸市内でバーを経営する40代の男性は、「時短営業に感染拡大防止の効果があったかと言えば、もちろん効果大だと思う」とした上で、「仕切りなんかしたらバーの意味なし、と思ってアクリル板などを置いていなかった店がほとんどだと思う。見回り指導はもう少し前の段階ですべきだったのでは」と首を傾げた。同市内で和食店を経営する30代の男性も「最初の宣言明けや、10月頃、今年の3月頭も人は多かった。自粛した分、その反動は確実に起こるので、また陽性者が増えるパターンを繰り返している」と話した。
地域経済への悪影響が続いていることについて、井戸知事は、「何らかの打開策があるかと問われれば、協力金もあるが、ワクチンをできるだけ多くの人に接種いただき、地域の対応力をあげていく。(コロナとの)共生というより抵抗力を獲得し、対抗する。これが経済の強化につながるのではないか」と見通しを述べた。