兵庫県の井戸敏三知事は28日、鳥取県の平井伸治知事とオンラインで協議し、兵庫県内で新型コロナウイルスに感染した一部の患者を、鳥取県内の病院で受け入れるよう求めた。平井知事は「兵庫も鳥取も県民の命はともに大切。できる限りのベッド数を提供することを約束する」と応じ、双方が合意した。中等症以下の患者に限り、鳥取県側は最大5床を提供する見通し。
井戸知事は協議の中で、県内医療の窮状について「オーバーフローしている。ご理解をいただきたい」と訴えた。平井知事は「鳥取も心情的には(兵庫と)同じレベルで苦しんでいるが、県民の命にはかえられない。お手伝いしたい」と、患者の受け入れに協力する姿勢を示したうえで、「鳥取県内の感染状況が厳しくなってくれば、中止するかもしれない」と付け加えた。
井戸知事は平井知事との協議後、「受け入れる側からすると大変な決断で、(5床という)数では評価できない。ボリュームの問題を超えているのではないか。姫路~鳥取間は車で約1時間で、中播磨、西播磨、東播磨の人が中心になる」との見通しを示した。なお両県は、県境の自治体で新型コロナワクチン接種を共同で実施することでも合意している。