サッカー・J1のヴィッセル神戸は15日、明治安田生命J1リーグ第14節で、ホームのノエビアスタジアム神戸に、セレッソ大阪(以下、C大阪)を迎え撃つ。ヴィッセル応援番組『GOGO!ヴィッセル神戸』(ラジオ関西)5月10日放送のマッチプレビューでは、C大阪の番記者でサッカーライターの小田尚史さんが電話出演。番組とともに、今回の“神阪ダービー”を展望した。
ヴィッセル(暫定5位、勝点23)もC大阪(暫定8位、勝点21)も、今季序盤戦では勝利を積み重ねたが、最近5試合ではヴィッセルが1勝3分け1敗、C大阪が1勝2分け2敗と、やや停滞気味。お互いに攻撃のタレントを揃えるも、最近5試合で決めたゴール数はどちらも5得点、1試合平均1ゴールにとどまっている。また、ヴィッセルではドウグラス選手、C大阪では大久保嘉人選手といったストライカーが負傷離脱しているのは、チームにとって痛い。「ヴィッセルの守備は今年固いので、お互いにロースコアの展開で、チャンスを決めたほうが勝つのでは」と小田さん。両者の直接対決でも過去5試合のうち3試合が1-0、2試合がスコアレスドローということもあり、今回も先に均衡を破ったほうが優位に立ちそうだ。
番組のなかでは、両チームのキープレーヤーを発表。まず小田さんが挙げたのは、C大阪DFダンクレー選手。昨年までヴィッセルで2シーズンにわたってプレーしたブラジル人センターバックは、クリムゾンレッドの初冠獲得にも大きく貢献。高さと強さを兼ね備える桜の新助っ人は、チアゴ選手との「チアダン」コンビで、強固な守備ブロックを築いている。ヴィッセルのことも知り尽くす背番号43は、かつての戦友でもあったFW古橋亨梧選手と対峙することに。「古橋選手の動きを知り尽くしているダンクレー選手がどう止めるか、1試合通してポイントになるのでは。お互いをわかっていると思うが、駆け引きは楽しみ」(小田さん)。
そして、ヴィッセルのキープレーヤーとして番組が挙げたのは、チームリーダー、MFアンドレス・イニエスタ選手。説明不要のスーパースターは、昨年のACLでのケガから、約5か月ぶりに復帰。5月は途中出場ながら3試合でプレーすると、前節の横浜F・マリノス戦では「これぞイニエスタ!」というスルーパスで得点機を作るなど、いよいよ調子も上がってきた。そして、37歳の誕生日を迎えた5月11日には、新たに2年の契約延長を発表。「このチームをさらに高みにつれていく貢献をできる限りしたい」と決意を述べた8番の雄姿は、今節間違いなく最も大きな注目を集めるだろう。昨年のACL以来となる先発出場への期待も膨らむ。
5月14日には、試合前日のオンライン会見にも登場したイニエスタ選手。「明日(C大阪戦)はとても重要な試合。前節負けたので悪い流れを作らないためにもやる気を持って準備している。個人的にはプレー時間をさらに重ねていきたい」と強い意気込みを述べていた。
この試合ではほかにも、公私ともに仲のいい同世代の2人、ヴィッセルMF山口蛍選手とC大阪MF清武弘嗣選手のマッチアップも、注目ポイントの1つといえよう。「ヴィッセルといえば、なんといっても山口蛍選手。セレッソでも主力、キャプテンとして活躍されていた選手で、ここが神戸の攻守において“心臓”になっている。古橋選手とのホットラインもあるので、(セレッソが)警戒するのは当然」と、小田さん。清武選手がイニエスタ選手と同じく“ドリブルよし、パスよし、シュートよし”の万能選手であるだけに、山口選手が桜の10番をいかに止めるのか、その攻防も見逃せない。
上位戦線生き残りをかけた大事な一戦。ここまで直近のホーム公式戦3試合が無観客での戦いを強いられたが、この試合からは5,000人という上限があるとはいえ、サポーターが入ったなかでプレーできる。その力強い後押しを受けて、クリムゾンレッドは勝ち名乗りを上げることができるか。キックオフは15日午後4時。