神戸市は17日、新型コロナウイルスのワクチン接種で、通常よりも濃度が足りないワクチンを5人に接種するミスがあったと発表した。濃度が不足するワクチンを接種しても人の健康に影響はないというが、新型コロナウイルスに対する抗体は生成されない。神戸市は12日にも、冷温で補完する必要のある新型コロナウイルスワクチンを誤って常温で管理したために960回分が使えなくなったと発表しており、ミスが続く。
ワクチンを接種する際は、薬剤師がワクチンが入った小瓶(バイアル)に生理食塩水を注入し、適切な濃度に希釈した後に注射器に分け、医師などが接種することになっている。しかし、神戸市では5月16日午前、市内の集団接種会場で、一度薄めたワクチンをさらに希釈し、通常より薄いワクチンを5人に接種した。市は現在もこの5人の特定ができず、当該会場で16日午前に接種した105人全員に対し、3週間後の2回目接種の際に抗体検査を行い、体内に抗体ができているかどうかを確認する。抗体が確認できない場合は、1回目の接種の際に濃度が不足したワクチンを接種したと判断し、3週間後に接種を行って適切に2回目の接種を行うという。
市は、注射器に分けた後のバイアルをすぐに捨てるなど作業工程を見直し、薬剤師同士で二重チェックを徹底するなどして再発を防ぎたいとしている。