ゴッホ、マネ、モネ、ゴーギャン、セザンヌら印象派の画家に大きな影響を与えたのが浮世絵で知られる葛飾北斎。北斎の版画としてよく知られている「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」は新しいパスポートと千円札の絵柄として採用されました。巨大な波の迫力あるしぶきを表現した、あの作品です。
北斎の絵は世界的に有名なのですが、彼が若い頃にどんな生き方をしてきたのかは謎が多いそうです。90歳まで生きて、3万点を超える作品を残した絵師のいきざまを明かす、映画『HOKUSAI』が5月28日(金)、OSシネマズ神戸ハーバーランド・イオンシネマ加古川など全国ロードショー。
江戸時代後期。歌舞伎や浮世絵などの文化が庶民に流行していました。腕はいいのですが、描きたくないものは描かず、描くときは気が済むまで描き続ける北斎は、食べていくことすらままならない貧乏生活を送っています。
ある日、浮世絵の版元・蔦屋(つたや)が作品に目を付けますが、絵を描く本質を捉えられていない北斎は「なぜ絵を描いているのか」という質問に答えられません。また歌麿や写楽らライバル達に先を越され、悔しさを噛みしめます。
旅に出た北斎は抜け殻のような状態でさまよい歩き、もがき苦しんだ末に自分らしい独創的な描き方を見つけます。江戸に戻った北斎は、奇想天外な世界観で一躍人気の絵師となります。
その後、北斎は武士で小説家の柳亭種彦と出会い、妖怪ものなどの挿絵を生み出します。こうした中、北斎は脳卒中で倒れ、命は助かるものの肝心の右手に痺れが残ってしまいます……。