ラジオ関西で午前7時から3時間にわたって放送されている朝の音楽番組『三上公也の朝は恋人』。1983年10月から、阪神・淡路大震災が起きた1995年3月まで放送されていた番組が、昨春、24年ぶりにリニューアルして復活。装いも新たになった『朝恋』は、この4月で、2年目に突入する。
番組は、午前8時30分までの前半を「洋楽」、それ以降の後半を「日本の楽曲」という構成で選曲。ワンマンで進行するパーソナリティーの三上公也アナウンサーが、すべての選曲も担当する。「以前の『朝恋』の雰囲気を残しつつ、オールジャンルで、50年代や60年代の楽曲から2000年代の最新の楽曲まで年代も幅広く取り入れる」なか、時折、ヒット曲にこだわらない好みの選曲も登場。さらに、隙あらば得意のダジャレも飛び出し、番組に軽やかさが増す。
「ひたすら選曲してきましたが、1年は早い!」と率直な思いを述べた三上アナ。「平均したら、1日18曲くらい。52週、4曜日で、延べにすると1年で3500~3600曲になる。そのための選曲にかかる作業はもう少し多いと思う」と、お茶の間に届けてきた曲数と作業量には驚きだ。
いつにも増して、この1年は音楽に触れる時間が長くなった三上アナ。番組でも楽しそうな表情や声色が印象的だが、本音は、「選曲って本当に苦しい!」。その胸の内を聞くと、「どんな曲でいくかテーマを考えるのもそうだし、それじゃあとレコード室で曲を選んでいたら、何曲かは見つかるけど、見つからない、曲が足りないとなることも。そうなると、テーマがご破算になってしまうこともある」そうだ。
8時台の「洋楽」と9時台の「日本の楽曲」で行う「特集コーナー」が番組の名物となっているが、「4~5曲を特集で組む以上は、(テーマに沿って選んだ曲が)揃わないといけない。しかも、なんでもいいというわけではなく、テーマのなかにはひとつの『トーン』があるので。それにちょっと季節感を織り交ぜながらやっていく」と、三上アナの選曲にはこだわりと苦悩がある。
それでも、「最後、それ(選曲)ができたときは楽しくなると思うので、それを発信できればと。朝の3時間いろいろと新旧織り交ぜながら選曲していくが、このスタイルは今年も変わらずやっていきたい」という。また、「この時期になったらこれは聴きたいという曲はもちろん抑えながらも、まだまだ音楽のトレジャーハンティングせないかん!」と、三上アナの情熱は衰えを知らない。
もちろん、番組の大きな助けとなっているのが、リスナーの存在。そして、『朝恋』では「“電リク”から続く、ラジオ関西・音楽番組の楽しさを大切にしたい」という思いから、できる限りたくさんのメッセージとリクエストを紹介している。その反響も大きく、おたよりも多数寄せられているそう。「どんどん昔のリスナーも戻ってきてくれたり、新しいリスナーも聞いてくれて、世代を超えた、いろんな音楽の楽しみ方がある」ことを、三上アナも実感している。
さらに、『朝恋』の特別企画として、三上アナの生まれ故郷、島根県飯南町を訪ねるバスツアーが、今年も9月5日と6日に行われることが決定。ちょうど10回目を迎えるなか、これが最終回になるとのことだが、「参加者の皆さんに楽しんでもらえるような、濃い中身にしたい。飯南町に入ってゆっくり過ごしてもらいつつ、いろいろ体験できる機会も作れれば」と、意気込みも強いものがある。
オンエアでは音楽を、そして、秋には旅も楽しめる、充実の『朝恋』。2年目も、三上アナのこだわりが詰まった選曲に乗って、朝を気持ちよく過ごしたい。