兵庫県と神戸市は2日、5月17日~23日の1週間に、新たに5人がインド型の変異ウイルスに感染したと発表した。いずれもすでに回復し、これまでの感染判明者と直接的・間接的な接触があるという。兵庫県内でのインド型変異ウイルス感染者は計14人となった。
新たに判明した5人のうち1人は、5月上旬にインド型の変異ウイルスが拡大している国(インド、ネパール、パキスタンのいずれか)から入国した。検疫所での検査では陰性だったが、隔離期間中に発症したため検査したところ新型コロナウイルスに感染していたことがわかり、県のゲノム分析でインド型変異ウイルスと判明した。
他の4人はすでに発表されているインド型感染者の濃厚接触者、または濃厚接触者と認定された人の濃厚接触者で、市中への広がりは見られないという。なお神戸市が1日、1人の感染を発表した「新たな変異ウイルス(※)」に感染した人は確認されなかった。
※「新たな変異ウイルス」とは……
英国型の変異ウイルスの特徴である「N501Y変異」に加え、「E484Q変異」を併せ持つもので、国内では初めての確認だった。神戸市によると、新たな変異ウイルスは2つの変異ウイルスの特徴を併せ持ち、感染力は従来株の1.32倍、重症化リスクは1.4倍高く、ワクチンの効力を弱める可能性があると推定される。
感染が分かったのは、市内に住む50代の男性で、5月17日に新型コロナウイルスの陽性が判明。まず神戸市健康科学研究所でのPCR検査でN501Y変異株が確認され、さらにゲノム解析でE484Q変異を持つことが分かった。渡航歴がないことから、神戸市は男性の体内で変異が起きた可能性があるとみている。