入院患者を虐待したとして元看護師ら6人が有罪判決を受けた神戸市西区の精神科病院で5月、20代の男性看護師が30代の男性患者を暴行し、軽傷を負わせた疑いがあることが、病院や神戸市への取材でわかった。兵庫県警・神戸西署が暴行・傷害事件の可能性もあるとみて、この看護師を事情聴取しているという。
病院などによると、5月20日午前11時40分ごろ、看護師が患者の胸ぐらをつかむなどしてけがをさせた。大きな声を聞いた別の職員が現場に駆けつけ、看護師と患者がもみ合いになっているのを発見したという。病院側は神戸市へ連絡、市が調査を行っていた。神戸西署への通報は6月2日。看護師は患者に謝罪した。現在自宅待機中で、病院が処分を検討している。病院は8日、「人権に配慮した良質な精神科医療を提供するため、警察に通報した。今後、再生への取り組みお伝えする」などとコメントした。
この病院では入院患者を閉じ込めたりするなどの行為が繰り返されたことが発覚、2020年、元看護師ら6人が暴行などの疑いで逮捕、起訴され、神戸地裁でいずれも有罪判決を受けた。6人は被告人質問で「上司や同僚が虐待を繰り返しており、患者を雑に扱うことがまかり通っていた」などと述べ、常態化する患者への虐待の実態が浮き彫りになった。