兵庫・大阪・京都など10都府県に対し、6月20日までを期限として出されている緊急事態宣言について、兵庫県の井戸敏三知事が11日午後、「前回、3月1日に(宣言を)解除した時は、お願いしていたのを一気にゼロにしてしまった結果、リバウンドを起こしたのではないかという評価がある。段階的な対応を考えないといけない」と改めて強調した。記者団の取材に答えた。
また、吉村・大阪府知事が「宣言解除後に”まん延防止等重点措置”を適用すべきではないか」との考えを示したと一部で報じられたことについて、「重点措置が役立つなら活用するが、申請する基準以下になっている。ただ、政府としては前の経験もあるから、(基準を満たしていない場合の)重点措置の適用も検討には挙がっているのではないか」と述べた。重点措置は、国の分科会による感染状況の指標でステージ3(感染者の急増)となった場合に適用が可能。人口10万人当たりの新規陽性者数のステージ3は15人以上だが、8日時点では兵庫で8.7人、大阪で13.7人といずれも下回った。
井戸知事は、「(まん延防止等重点措置の)適用というよりは、お酒を出すのか出さないのか、時短を何時までとするのか、あるいは時短をしないのか、いつまで協力お願いするのか、などを検討しなければならない。緊急事態宣言は3府県から要請をして(政府が)宣言したことになるので、解除についても3府県で相談しなければならず、統一する必要性がある」との見通しを示した。
井戸知事はかねてから「酒類提供自粛は効果があった」としてきたが、宣言解除後も続けるかどうかについて問われると「悩ましい。業界の皆さんからは『お酒なしで店を開けていても、ほとんど客が来ない』という声もある。時短営業の中でお酒を全く提供してはいけない、と言うところまで踏み切ることができるか、よく検討したい」と述べた。