「いかに日常生活にINAC神戸を浸透させるかがテーマ」。そう話すのは、INAC神戸レオネッサで広報を務める佐藤正道さんだ。
INAC神戸応援番組『カンピオーネ!レオネッサ』(ラジオ関西)でパーソナリティーを務める元Jリーガーの近藤岳登は、選手時代にもよく接してきた広報の存在について、「(クラブ内の情報は)なんでも広報を通すもの。『板挟み』になることが多く、めちゃくちゃ大変」と、膨大な業務におわれる内情を理解し、敬意を表する。
メディア対応の窓口となり、クラブ内でも事あるごとに情報を確認。「間に入って調整することが多い」作業の連続となる、サッカークラブの広報。時には、スケジュールを進行するために途中でインタビュー対応を制するなど、“嫌われ役”もいとわなければならない。また、「準備していたことが急に変更になった」ときには、即座に対応を迫られることもある。さらに、特定の選手に取材が集中しすぎないよう、チーム全体にスポットライトを当てることにも目を向ける。まさに、気配り、気苦労がつきまとい、心休まる暇がない。
それでも、「今までいろいろな職業を経験したが、広報が一番楽しい」と、佐藤さん。INAC神戸の広報大使を務める赤﨑夏実(『カンピオーネ!レオネッサ』パーソナリティー)が、「試合ですごく忙しい朝でも『今日もよろしくね!』と、いつもニコニコしているイメージ」というように、INAC神戸の認知拡大へ、常に明るく業務に邁進している。
「(選手がメディアに出れば)サッカー選手として記録にも残る。全国の新聞などに取材していただけているので、小さい記事でも地元の新聞に載ると、選手の親御さんもうれしいと思う」。自身も年頃の娘を持つ佐藤さんならではの親心も垣間見えた。
「INACの選手はみんな(メディア対応に)慣れているし、逆に感心することが多い。偉大な先輩たちを見てきているからか、(しっかりと)言葉が出てくるのが『すごいな』と」という佐藤さん。「選手から出てきた話をどう実現するか」が、広報としての腕の見せ所だという。「話を『つめていく』『形にする』のが、僕の専門分野。その時々の需要などもみながら進めていく」と、自らが担う仕事の醍醐味についても語っていた。
単身赴任で奮闘する『お父さん』は、初代WEリーグ女王を目指すINAC神戸のさらなる飛躍のため、大事な黒子のひとりとして現場に立ち、チームを手厚くサポートしている。