フリーアナウンサー・田中大貴(元フジテレビアナウンサー)と林歳彦氏がパーソナリティーを務めるラジオ番組『としちゃん・大貴のええやんカー!やってみよう!!』6月14日放送では、女子サッカー・INAC神戸レオネッサの安本卓史代表取締役社長がゲスト出演。9月12日開幕が決定した日本初の女子プロサッカーリーグ「WEリーグ」や、クラブへの思いを語った。
◆「私は危機感しかない」本音も吐露
WEリーグはWomen Empowerment Leagueの略称。その名には「日本に“女子プロサッカー選手”という職業が確立され、リーグを核に関わるわたしたちみんな(WE)が主人公として活躍する社会を目指す」という思いが込められている。リーグは「秋春制」を採用。主要大会が開催されるヨーロッパのサッカージュールに合わせ、9月に開幕し、翌5月に終わる。春に始まるJリーグやプロ野球の「春秋制」の真裏での開催となり、新たな展開に注目が集まる。
「東日本大震災に見舞われた2011年、FIFA女子ワールドカップドイツ大会で優勝した際は(サッカー日本女子代表「なでしこジャパン」が)国民栄誉賞にも輝きメディアにもたくさん登場した」日本の女子サッカー界。あれから10年、新たな歴史の一歩を踏み出すが「新しく見に来ていただけるポテンシャルはあるが、今はまだ“下”にいる。一世風靡した当時を超えていかないとWEリーグは成功しない。だから私は危機感しかない」と、本音も吐露する。
そのなかで、安本社長は、INAC神戸と同じく神戸市に拠点を置くラグビーリーグ・神戸製鋼コベルコスティーラーズや、プロリーグの先駆者であるJリーグを例に挙げながら、未来像を語る。「プロを選んだ選手が、自らを磨きあげ、プレーで人に勇気を与え、そしてメディアで話せるように育てていくことが経営者の課題です」。
◆地元に根ざす、新たな取り組みも
高校野球のように地元に根差したチーム作りを目指すINAC神戸は、1日、高齢者介護事業を展開する株式会社ユニマットリタイアメント・コミュニティとのサプライヤー契約を締結した。クラブ選手およびアカデミー生に管理栄養士が考えた食事を提供してもらい、一方で選手たちは施設のプログラムに参加して利用者との交流を深めるという。
安本社長は「とてもありがたい話。人とのつながりを感じることで、『その人に見てほしいからプレーを頑張る』『試合に出たらもっと応援してもらえる』と思えることが、プロへの道だと思う」と意義を語った。