神戸の観光名所の1つ、異人館街で有名な神戸市中央区北野町。その「北野」の街で活躍する人にスポットライトをあてた配信番組『北野Talks』を手掛けているのが、PIPELINE株式会社のインタビュアー兼メディアディレクター・中西幸宏さん。
同社では、ウェブ制作や動画・映像制作、グラフィックデザイン制作からオンライン配信の授業までインターネットを中心に事業を行っている。
『北野Talks』は、神戸・北野で働く人の、普段聞くことができない思いや、神戸の人でも知らないようなエピソードなどを、音声を通じて配信。新たな北野の魅力を伝えている。「週ごとに3本配信し、1本目は現在のお店や人物のお話、2本目は過去で何をしていたかや、なぜ始めたのか、3本目はこれからはどうしていくのかというのを、10分ずつ、3本で30分の番組で配信しています」。
中西さんは「(北野の街は)いろんな人が来るがゆえに、横のつながりが薄かったりするので、『北野Talks』をやっていきながら、いろんなつながりを大きく展開していきたい」と意気込む。
これまでに40人ほど取材してきたなか、印象的だったのは、2回目のインタビュー。「(私自身が)ガチガチに緊張してしまい、収録をし終えた後に1分程度の僕の感想を述べるときに涙を流してしまう不甲斐ない回があった。でも、その回があったからこそ『北野Talks』をどうしていくか、配信とは何を伝えることなのかを考えるきっかけになったのでありがたかった」と、配信秘話も明かした。
一方、同社の3階では、「地元のアーティストのPRとその作品の販売をお手伝いをしよう」という思いで、『Bricolage』というアートギャラリーを開設。取材時には、神戸在住で世界に羽ばたこうとしている地元アーティストの作品が展示されていた。
そのうちの1人、國久真有は神戸芸術工科大学大学院出身。身体を軸に腕を回して幾重にも円を繰り返す作風が特徴。また竹内みかは広告代理店勤務のグラフィックデザイナーを経て、アートの世界へ。遊園地にあるメロディーペットに着目し、消費社会や豊かさについて問いかける。いずれもこれからが楽しみな2人で、神戸北野美術館の竹中愛美子・館長も「現代アートの世界では、誰も未だに描いてこなかった物を作品にできる感性が才能だと認めざるを得ない。二人の今後の活躍に注目したい」と期待を寄せる。
【放送音声】