煮詰まる……この表現、どんな時に使いますか?
「みんなで議論したけれど、うまくまとまらない。いいアイデアも出ない。もう無理だ。あ~困った……」という時ですか?
それ、実は誤用です。
新明解国語辞典によりますと、「煮詰まる」の2番目の意味に「会議などで、議論が出尽くして、結論が出せる状態に近づく。『話合いがー』〔問題の解決処理に行き詰まる意に用いることもあるが、誤り〕」と明確に記されています。
他の辞書でも同じような説明が見受けられます。
ところが、精選版日本国語大辞典では、2番目に「議論や考えが出つくして、結論を出せる状態になる」とあり、3番目に「問題や状態が行きづまってどうにもならなくなる」と書いてあります。
ん? 2つの意味が書いてありますね。これでは混乱する人がいるかもしれません。そこでいろいろ調べてみると、こんな調査がありました。
文化庁の「国語に関する世論調査/2007(平成19)年度」に、「煮詰まる」の調査結果が出ています。
「七日間に及ぶ議論で、計画が煮詰まった。」という例文を挙げて「煮詰まる」の意味を尋ねたところ、最も多かったのが、(議論や意見が十分に出尽くして)結論の出る状態になることが56.7%、(議論が行き詰まってしまって)結論が出せない状態になることが37.3%という結果でした。