兵庫県立美術館コレクション展Ⅱ 小企画「美術の中のかたちー手で見る造形 東影智裕展 触知の森」 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

兵庫県立美術館コレクション展Ⅱ 小企画「美術の中のかたちー手で見る造形 東影智裕展 触知の森」

LINEで送る

この記事の写真を見る(4枚)

 兵庫県立美術館(神戸市中央区)の今年度のコレクション展Ⅱが開催されている。

 このうち兵庫県立近代美術館当時から通算して31回目となる小企画「美術の中のかたちー手で見る造形 東影智裕展 触知の森」は、一部、手で触れる展示となっている。

 会場に並ぶ動物の頭部のような作品は、皮膚や毛穴、体毛などが精巧に表現されている。作者は高砂市生まれの東影智裕。美術学校在学中には特に版画を学んだが、卒業後は主に立体作品を制作してきた。

 作風はシンプルなものへと変化し、たどり着いたのが「動物の頭部」。涙を流したり傷ついた姿がそこにある。東影は「生きていると美しいままではなく病気も怪我もする。作品の中に死、心や魂のような存在を感じる作品を作りたい」と話す。

東影智裕 《視界 camel d-007》 2013年 作家蔵
東影智裕 《視界 sight hound B-003》 2011年 作家蔵

 東影の「作者の距離で見てほしい」との思いから、一部の作品は(手袋をした上で)手に取り持ち上げることもできる。作品に直接触れることで、東影の作品への思いや皮膚や毛並みの質感などを感じ取ることができる。

作者の東影智裕さん と 《視界 deer》2015年

 一方、特集は、「なぜここにいるのー伊藤文化財団寄贈作品・新収蔵品を中心に」と題し、「この作品はなぜ今ここにあるのか」、兵庫県立美術館のコレクションの成り立ちや収集活動の裏側に注目しつつ、新たにコレクションに加わった作品を中心に紹介する。

「なぜここにいるの- 伊藤文化財団寄贈作品・新収蔵品を中心に」展示風景

 兵庫県立美術館の前身となる「兵庫県立近代美術館」は、1970(昭和45)年に開館した。例えば彫刻や版画はひとつの型や版から複数の「本物」ができるので、お値段が安い。印象派の有名な油絵を1枚買う代わりに、版画や彫刻をたくさん購入し、美術の流れがある程度わかるコレクションを目指したという。


◆兵庫県立美術館 2021年コレクション展Ⅱ
会期 2021年7月17日(土)~12月26日(日)
・前期 7月17日(土)~9月26日(日)
・後期 10月9日(土)~12月26日(日)
※小企画「東影智裕展」は前期の開催
会場 兵庫県立美術館 常設展示室
休館日 月曜
※8月30日(月)~9月6日(月)はメンテナンス休館、9月27日(月)~10月8日(金)は展示替えのため休室
【兵庫県立美術館 公式HP】

LINEで送る

関連記事