新型コロナウイルス感染拡大の影響で史上初の1年延期となった東京パラリンピックは24日、国立競技場の開会式で幕を開ける。聖火リレー関連行事は24日午後にゴールを迎え、大会の象徴となる炎は同日夜の国立競技場で開かれる開会式に向かう。そして東京都渋谷区の代々木公園で公道リレーの代替行事の点火セレモニーや到着式を開催。47都道府県とパラリンピック発祥の地とされる英国ストーク・マンデビルで採火した炎が一つにまとまった聖火は、閉幕まで灯り続ける。
12日から始まった聖火行事はコロナ感染拡大が大きく影響。16日まで43道府県の各地であった採火は、中止や縮小した場所も相次いだ。17日以降の競技会場がある静岡、千葉、埼玉、東京4都県での公道リレーは、静岡の一部にとどまった。
大会には159か国・地域と難民選手団が参加の見通し。国内外でコロナ感染再拡大への危機感が広がる中、史上最多となる4500人規模の選手が一堂に会する障害者スポーツの祭典は、感染対策を徹底しながらパラスポーツ特有の運営課題にも向き合うことになる。
身体・視覚・知的障害者らが創意工夫を凝らして限界に挑戦するパラリンピックは、57年ぶり2度目の東京大会で16回目の開催。8日に閉幕した五輪の開催時よりコロナの流行は深刻で、大会関係者の行動範囲を制限し、外部との接触を絶つ五輪と同じ「バブル方式」の厳守が求められる。
東京五輪、開催の是非とパラリンピックのあり方を関西の街で聞いた。
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◆宝塚から神戸・南京町へ 20代女性会社員「日本がコロナ禍の沈滞ムード、五輪での日本代表選手の活躍を見ると、一瞬は元気になれました。でもそれは一瞬のことで、開催中も「第5波」が押し寄せる恐怖があって、今、かつてないほどの感染爆発。あっという間に現実に引き戻されました。単純に五輪のせいとは言い切れませんが、五輪開催の開放感や安堵感が、人流を止めれなかったと指摘されても仕方ないのではと思います。ライブもイベントも中止、でも五輪はやるんだ、そういうやるせなさは確かにあります」
◆名古屋から大阪・梅田へ 20代男性「卓球をやっています。実は、3年後のパリ五輪を目指して、試合結果を残さないといけない時期です。この東京五輪は、今までにない競技、スケートボードやスポーツクライミングで日本選手が活躍した、大変意義のあった歴史的な大会でした。金メダルが27個・メダル数が58個(日本選手の獲得数は史上最多)もあったのは”地の利”だけじゃないと思います。コロナ禍での大変制約されたトレーニングの中でのプレッシャーに勝ち、日本のスポーツ界のレベルアップができたのは誇らしいです」