兵庫県・神戸市・楽天グループの3者が、県内の若者に向け、新型コロナウイルスワクチン接種を促進するために連携する。15日、兵庫県の斎藤元彦知事、神戸市の久元喜造市長、楽天グループの三木谷浩史会長兼社長が揃って会見に臨んだ。
斎藤知事は、10月4日~17日に、県の大規模接種会場である姫路競馬場(姫路市)と園田競馬場(尼崎市)で、16歳~39歳の若年層に向けた優先枠を新設すると発表。それぞれ1日200人ずつ、計400人分の枠を設け、18日の朝9時に募集を始める。
また県は、兵庫にゆかりのある人向けの「ひょうごe-県民制度」に登録したうえで、ワクチンを2回接種した学生(大学生、短大生、専門学校生)らに2千円相当のポイントを付与する。内訳は、楽天市場内の県公式オンラインショップ「ひょうご市場(H5MANIA)」で使える千円引きクーポンと、千円分の楽天ポイントとなる予定。
斎藤知事は「(半分を楽天ポイントにすることで)若い世代が色々なところで使えるよう、利便性を考慮した。知事になって初めての官民連携の取り組みで、意義深い」と述べた。
また、神戸市の大規模接種会場であるノエビアスタジアム神戸(同市)でも、16歳~39歳の若い人向けの優先接種枠を1日200人分確保する。14日からWEBで予約を受け付けていて、20日からスタート予定。神戸市外に住んでいても、市内に通勤・通学している人も対象となる。また、11歳以下の子供を持つ親向けに、1日あたり計124人が、優先的に接種を受けられるようにする。
久元市長は、「神戸市では、10月中に2回のワクチンが希望者にほぼ行き渡るペースだ。役所だけでは色々な行政サービスは完結できず、産学官連携モデルを神戸から発信し、経済の活性化を目指す」と強調した。
楽天は、2回接種を終えた全国の16歳~39歳を、サッカーJ1・ヴィッセル神戸の主催試合に抽選で招待する。三木谷氏は「コロナ禍を脱却するためには、ほとんどの人がワクチンを接種していることがマストであり、唯一の経済再興への道だと個人的には考えている。自治体と連携したポイント付与はおそらく全国初の取り組みで、全国的な起爆剤になればいい」とした。