兵庫県豊岡市に今春開学した芸術文化観光専門職大学の学生に、JA共済連兵庫から地元産コシヒカリ「コウノトリ育むお米」200kgが贈られた。
劇作家・演出家の平田オリザ氏が学長を務める芸術文化観光専門職大学には、全国から集まった1期生84人が在学している。1年次は全寮制のため、学生は全員学生寮での自炊生活を送っているが、新型コロナウイルス感染症の影響により学生生活やアルバイトにも制約を受け、帰省もままならない学生も多い。このためJA共済連兵庫では、地元産のおいしいお米を食べて元気に学生生活を送ってほしいと、学生に「コウノトリ育むお米」(2kg×100袋)を寄贈することにした。お米は学生全員に配られる。
コウノトリの生息地として知られる豊岡市では、カエルやドジョウなど、コウノトリのエサとなる生き物が育つ環境づくりに取り組んでいる。この「コウノトリ育む農法」は、秋には田んぼに住む生き物のために、堆肥や米ヌカなどを散布。冬も田んぼに水を張って生命を育み、無農薬・減農薬での米づくりを可能にしている。「農薬に頼らない強い米づくり」の知恵と工夫を凝らして栽培・収穫されたコシヒカリは、「コウノトリ育むお米」としてブランド化され、人気を集めている。「やわらかく粘りが強い」という特長があり、炊き上がりはもちろん、時間が経っても食味の変化がほとんどないことも大きな魅力だという。
9月30日に行われた贈呈式では、平田学長が「ツーリズムにおいて『食』は最も重要なアイテムの1つ。観光を学ぶ学生にとっては、本物の味を知ったうえでどうアピールしていくかを考えるきっかけになる、非常にありがたい贈り物」とあいさつ。
JA共済連兵庫の三森京介本部長は「学生さんが自炊生活を送っていることやコロナで不自由な生活を送っていることを平田学長から聞き、ちょうど新米の季節ということもあって『コウノトリ育むお米』を寄贈することにした。大きな夢を持って但馬にやってきた学生さんの力を、地域の活性化に役立ててもらいたい」と話した。
お米を受け取った学生代表の和田遥菜さんと彦坂柚生さんは「コロナ禍で満足にアルバイトもできず、切り詰めた生活を送る学生にとっては本当にありがたいです。感謝の気持ちで胸がいっぱいになり、同時におなかもいっぱいになるという素晴らしいプレゼントです」と笑顔を見せていた。