日本が単独で海の測量(海洋調査)から海図作成までを一貫して行う「水路業務」をスタートさせてから、2021年で150年。「神戸から見る日本の国土と海」をテーマにした地図展が神戸阪急(神戸市中央区)で28日から始まった。11月1日まで。入場無料。
1871(明治4)年、兵部省海軍部に水路局が設置され、現在の海上保安庁海洋情報部に。国土地理院と海洋情報部は、その前身の機関とともに陸と海でそれぞれ日本の基盤的な地理情報を整備してきた。
古代から海上交通と交易の要衝として発展した神戸。1868(慶応3)年に開港した神戸港は、国際戦略港湾の1つとして、日本経済の発展に大きな役割を果たしている。1995(平成7)年、阪神・淡路大震災に見舞われ大きな打撃を受けたが、見事に復興を果たしたことは記憶に新しい。
この地図展では、水路測量150年という節目の年に、港町神戸が「海洋国家日本」に与えたものは何かを探る。
伊能忠敬(1745~1818)が作成した国内最初の実測地図で、今年で完成から200年の「大日本沿海輿地全図」を彩色した国土地理院所蔵「伊能大図彩色図」や、外国艦隊によって作製された海図から、幕末~明治期の日本の測量技術を知ることができる。
ほかにも海図第1号「陸中國釜石港之図」や、港町神戸の変遷がわかるよう、さまざまな年代ごとの地図・海図・空中写真を並べ、阪神・淡路大震災の実態や防災地図も展示している。