今年(2021年)、初点灯から150年を迎えた「江埼灯台」(兵庫県淡路市野島江崎)が国の重要文化財に指定される。 文化審議会が11月19日、末松文部科学相に答申した。 答申後、今年度内に行われる官報での告示をもって正式決定となる。
白亜で背の低いフォルムが愛らしい江埼灯台。
2019年 、日本財団が推進する「海と日本プロジェクト」の一環で、 ロマンスの聖地にふさわしい「恋する灯台」としても認定されている。
"国生みの島"として「古事記」「日本書紀」にも記述がある淡路島。その北端で明石海峡をのぞむ江埼灯台は、 兵庫開港に際して外国船の安全運航を確保するため、1867年(慶応3年)のイギリスとの取り決め「大坂条約」に基づき設置された5基の灯台(江埼、六連島、部埼、友ヶ島、和田岬)のひとつ。
灯台の父と呼ばれるイギリス人技師、B・H・ブラントンによって設計・建設され、明治4年(1871 年)日本で8番目に建設された石造りの洋式灯台。建設当時の姿をそのまま残す現役灯台としては2番目に古く、歴史的・文化的価値が高い。
鉄球を使用した、世界的に初期の免震装置を備え、明治政府が取り組んだ海上交通政策を知る上でも貴重な建造物とされる。 2009(平成21)には、経済産業省から近代化産業遺産として認定を受けた。