兵庫県稲美町で19日、住宅が全焼し小学生の兄弟とみられる2人の遺体が見つかった火災で、出火の通報直前に、現場近くの防犯カメラが同居する50代の伯父とみられる人物の姿をとらえていたことが、捜査関係者への取材でわかった。
この人物は現場付近から徒歩で立ち去っていたという。なお、不明の伯父は運転免許を持っていない。
伯父とは連絡が取れておらず、兵庫県警は何らかの事情を知っているとみて行方を追っている。2人の遺体を司法解剖した結果、死因はいずれも煙を吸ったことによる急性一酸化炭素中毒で、目立った外傷はなかった。煙は発火数分で室内に充満、2人はほぼ同時刻に死亡したとみられる。
■11月19日 火災発生前~通報までの経緯(捜査関係者への取材による)
◇午後11時30分ごろ、兄弟の父親が仕事を終えた母親を迎えに行くため、住宅から車で外出。
◇その数分後、東に数十メートル離れた住宅の防犯カメラが、伯父とみられる男性が立ち去る様子をとらえる。
◇午後11時50分ごろ、付近住民から出火の119番通報。翌20日以降の現場検証で、可燃性の液体が検出されている。
現場の住宅は小学生の兄弟と、兄弟の父親、母親、伯父(母親の兄に当たる)の5人暮らし。全焼した住宅は母親と伯父の実家とみられ、所有権は伯父名義になっている。
近隣住民などの証言によると、伯父は数年前から同居しているが、普段から家族と接触が少なかったという。父親と母親は出火時、家におらず無事だった。