兵庫県内での飲酒運転の取り締まり件数が緊急事態宣言が解除された10月以降、急増していることが兵庫県警への取材でわかった。年末の交通安全運動期間(~12月10日)、「飲んだら乗るな」を合言葉に警戒を強める。
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、外出の自粛によって、いったんは交通量が減っていた。しかし12月は、宣言解除から1か月経過したことに加えて年末の慌ただしさや日没が早いことなど、様々な要因が重なり、1年で最も交通死亡事故が多いとされている。
2021年1月~10月、兵庫県内の飲酒運転の取締件数は575件(確定値)と、昨年同時期よりも112件減少した。しかし月別では10月だけで76件と、前月の9月に比べて25件も増え、約1.5倍にのぼった。11月は80件(12月6日現在の速報値)で、今後の集計・分析によっては増える可能性がある。
また、兵庫県内で12月1日までに交通事故による死者が99人(速報値・前年同時期比+7人)で、このうち8人が飲酒運転による事故で死亡した。
2021年は子どもたちが犠牲になる事故が相次いだ。千葉県八街市では6月、下校中の小学生5人が飲酒運転の大型トラックにはねられ死傷。 また、岡山県総社市で11月、幼稚園児らが車にはねられた事故は市街地を通る幹線道路で起きた。国土交通省の担当者は現場について「交通量が多く、速度が出やすい」と話す。飲酒運転のみならず、速度超過についてもより一層の警戒が必要だ。