12月に入り本格的な受験シーズンを前に、学問の神様として親しまれている神戸市須磨区の綱敷天満宮では、「直前受験合格祈願お札」の制作が進められている。
お札には「須磨の浜に綱敷天満宮の由来と言われる綱で作った円座が描かれ、姿は見えないものの天神様が座り朝陽が昇ってくる様子をご覧になっている場面」が描かれており、受験生の願いがまっすぐに届くようイメージしてデザインされた。
顔料(絵の具)にもこだわり、太陽は魔除けの朱、陽光(太陽の光)の黄色は穢れを払う石黄(せきおう)に似せた黄土を用い、そして絵の具の接着剤の役割を果たす固着剤には、幸せを招くという意味を持つ桃の木の樹液(桃膠・ももにかわ)を使った。
「直前受験合格祈願」の文字は久野木啓太宮司が手書き、そして色をつける作業は職員が手作業で行っている。このため唯一無二のものに仕上がる。このような「手書き」で顔料にもこだわったお札は全国で初めてではないかという。
手作業なので数は限られるが500枚ほどが制作され、お札は祈祷したあと、受験生らに授与される。