コロナ禍が落ち着きを見せ始め、関西の街では飲食店の開業ラッシュが起こっているようです。そんな中で、特に目立っているのが「ネオンサインの看板」のお店。
例えば、今年3月には心斎橋パルコの地下2階に「心斎橋ネオン食堂街」がオープン。大衆中華や立ち飲み、バルなど25店舗が入るフロアには、昭和レトロなネオンサインがあちこちに装飾されています。最近流行りの韓国チキンのお店にもネオンサインの看板があったりと、まさに「ネオ昭和」な空間なんです。
そもそも「ネオン看板」とは、細長いガラス管にガスを封入し、電流を流して放電させることで発光するランプの一種「ネオン管」で文字や絵をかたち取った看板のこと。ちなみに、「ネオン」という名前は「新しい何か」を意味するギリシャ語「Neos(ネオス)」に由来していて、「ネオ」と同じ語源なんだそう。
今、ネオンサインの看板が再流行している理由について、ネオンサインの調査研究と普及を目指す「日本サイン協会」の中川さんに聞いてみました。
「ネオンサインの看板が今また増えている理由は、レトロなものがブームになっているからというだけでなく、『ネオン風サイン』が登場したからだと思います。最近のお店でよくみられる『ネオンサインの看板』は、実は、昔ながらのネオン看板とは別物なんです」(中川さん)
かつて「ネオンサイン」といえば、ガラス管にガスを入れて発光させるものが主流でしたが、最近よく見かけるネオン看板は、樹脂やプラスチックの型にLEDを貼り付けた「ネオン風サイン」が主流になっているのだそう。
本物のネオンサインはガラス管を曲げる加工や安全面での取り扱いが非常に難しく、製造にも設置後にもコストがかかるもの。一方、最近よくみられる「ネオン風サイン」は、簡単に作れてコストもさほどかからず、電流も低いので取り扱いも簡単で安全、出せる色の種類も多いなど、とても手軽で便利なものになっているのだとか!